昨年4月1日発行のウィッチンケア第14号では寄稿作「フィジカルなき今」が巻頭を飾り、その内容(とくにおカネの話!)もかなりリアルだった谷亜ヒロコさん。谷亜さんはリアル推し! ...って、スイマセン...小誌今号への寄稿作「折田さんは自分推し!」に擬えて筆者の作風を言い表してみましたが、どちらかというと“お花畑系ライター”だと自認する私(←発行人)からすると、谷亜さんテキストはいつも現実をビシッと捉えていて小気味よいのです。そんな谷亜さんが今作で斬り込んだのは、兵庫県知事の案件で話題になった実業家・折田楓さん...などを事例に、いわゆる自己承認欲求が強い人、についての考察であります。折田さんについては、メディアで伝えられた諸々について言及していますが、私が一番そうだな〜、と思ったのは〈折田さんの会社は彼女しか推すものがない。だからしょうがないのだ〉という一文。ばっさり、なんですけれども、でもどこか「情けを掛けている」というか...しょうがないのだ、という、多少の理解を示す言葉で結んでいるところに、ある種の矜持を感じたりして。
作品中盤からは、男性の承認欲求についても語られています。昨年末になくなった中山美穂さんにまつわる、親しかった男性2人(る井上ヨシマサさんと渋谷慶一郎さん)のXへの書き込みを引用して、これって「お別れのメッセージ」の体をした自己承認欲求ではないのか、と。たしかに、私も過去、知人の訃報を受けた後、SNSでのその方についての様々なコメントを読んだ経験、何回かありますが、おいおい、みたいなのも散見され。。。あっ、↑の男性2人への筆者の具体的なご意見は、ここに引用などはしませんので、ぜひ小誌を手に取ってご確認ください。
作中には谷亜さんご自身の承認欲求についても書いておられまして、その率直さにもはっとさせられましたし、なにが言いたいのかよくわからないことしか書けない自分を反省し、谷亜さんを見習いたい(たしか前作の紹介文でも「見習いたい」みたいなことを書いている...)とも思いました。
世間では折田さんのことを「自己承認のかたまり」とか「承認欲求の鬼」とか言われ放題。Instagramの投稿に至っては「キラキラ女子」なんて言われるが、これ家族写真を除けばキャバ嬢じゃん。確かにエルメスのバーキンだけは180万円ぐらいするけど、斎藤知事と映っているイッセイミヤケのセットアップもヴァレンティノの布バッグも10万円ぐらい。よくキャバ嬢の方が、ブランド品を持って笑顔、旅行先の絶景やグルメを前に笑顔、そんな映え写真を投稿しているのと同じ。キャバ嬢の場合、お店に来てお金を落として欲しいから優しい笑顔で誘っているだけなのだけれど、折田さんの場合は仕事が欲しいから。企画。企画書について彼女は「0→1の鬼になって、資料作るの大変」ってYouTubeで言ってるけど、代理店にいたらそんなの普通だし、noteから削除された案の内容もよくあるものだった。
~ウィッチンケア第15号掲載〈折田さんは自分推し。〉より引用~
谷亜ヒロコさん小誌バックナンバー掲載作品:〈今どきのオトコノコ〉(第5号&《note版ウィッチンケア文庫》)/〈よくテレビに出ていた私がAV女優になった理由〉(第6号)/〈夢は、OL~カリスマドットコムに憧れて~〉(第7号)/〈捨てられない女〉(第8号)/〈冬でもフラペチーノ〉(第9号)/〈ウラジオストクと養命酒〉(第10号)/〈鷺沼と宮前平へブギー・バック〉(第11号)/〈テレビくんありがとうさようなら〉(第12号)/〈ホス狂いと育児がほぼ同じだった件〉(第13号)/〈フィジカルなき今〉(第14号)
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