寄稿作〈ブルーな音楽の地平──ダニエル・シーザー、カサンドラ・ウィルソン、ジョニ・ミッチェル、ときどきネオソウル〉は筆者が好んで聞いてきた音楽の共通点を「ブルー」という感覚(成分!?)で括り直したエッセイ、とでも説明すれば良いのかな? ここで矢野さんが「ブルー」だと感じている音楽とは、もう少し具体的には〝ソウルシンガーによるアコースティックな音楽〟とも言い換えられていますが、でも、それでも、ご自身基点でその地平を眺めてみると食み出すものや零れるものがあるわけで...結局、〝だから極端に言えば、国や人種にかぎらず誰かがパーソナルな心情を歌のかたちにするにあたってフォークソングという形式が選ばれている、という気がする〟という一文が、筆者に「ブルー」を感じさせる音楽の勘所なのではないか、と。ちなみに矢野さんが名付けたところの「ブルーな音楽」ですが、私もかなり好きな分野でありまして、本作に名前の挙がらなかった、たとえばフィービー・スノウやシェリー・ブラウン、もう少し的を広げると、たとえばプリンスの「Sometimes It Snows In April」なんかもだいぶ青いのではないか、なんて思いながら拝読しましたが...既存の音楽ジャンルに囚われずに自分の好きな音楽の共通項を探してみるのは、とっても楽しい。みなさま、ぜひ小誌を手に取って、矢野さんが「ブルー」だと感じるミュージシャンとの、素敵な出会いを!