2025/05/10

VOL.15寄稿者&作品紹介16 内山結愛さん

 ウィッチンケア第14号からの寄稿者・内山結愛さんは、シューゲイザー/ノイズ/エレクトロニカなどの要素を取り入れた音楽性を持つアイドルグループ・RAYのメンバーです。音楽レビューもネット上で積極的に展開しており、詳細はぜひ、小誌前号への寄稿作〈散歩、あるいはラジオ〉の紹介ページでお確かめください。それで、私(←発行人)はRAYのライヴを昨年の7月20日、Shibuya Milkywayで体験してきました。満員の会場は耳栓が配られるほどの轟音で、ノンストップの約40分。終演後は人生初のチェキ並びもしまして、内山さんに寄稿の御礼と「次号でもぜひ!」とのお願いを直接しまして、写真撮影も(アイドルとのツーショットは、たぶんオレの人生でこれ1枚きりなのだと思います)。あっ、つい数日前に、内山さんはSNSで「My Bloody Valentineの来日公演、当選した!」と報告していまして...これはマイブラDNAを継承して独自のアイドル活動を続けている内山さんにとって、間違いなくプレミアムな体験になるはず。おめでとうございます!




さて、そんな内山さんの小誌今号への寄稿作は〈散歩、あるいはスーパーマーケットとTwitter〉。書き出しの一文が「── スーパーマーケットはTwitterだ。」でして、なっ、なんで!? といきなり惹き込まれてしまいます。この後、現在は「X」となったTwitterに対する複雑な心境が語られているのですが、内山さんの雑感に共鳴する人、少なくはなさそう。そして、話はTwitterとスーパーマーケットとののっぴきならない関係性についての、内山さんならではの考察へと。「私はスーパーマーケットで買い物することを目的にしているのではなく、スーパーマーケットに充満する情報量を身体中で浴びることを目的にしているのではないか」...そんなこむずかしいことを考えながら食材や常備品をセレクトしているシューゲイザーって。。。


作品後半ではエスカレーターにまつわる筆者の感じ方も記されているのですが、これが、とくにelderな方々からすると衝撃かもしれません。内山さんにとってちょうど良い、と感じられるエスカレーターがもしあったら、それはけっこうスリリングな乗り物かもしれない。みなさま、ぜひ小誌を手に取って、Twitterとスーパーマーケット(とエスカレーター)について思考を巡らせてみてください。


ウィッチンケア第15号(Witchenkare VOL.15)
発行日:2025年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:276ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN:978-4-86538-173-3  C0095 ¥2000E



 一方でTwitterは、人の思考、情報がジャンル分けされているわけでもなく、乱雑に、無数に並んでいる。膨大な情報量に対して「そうだね」と思ったり、「それは違う」と思ったり、「悲しい」、「可愛い」、「面白い」、「ありえない」、「格好良い」、「どうして」と感情が指のスライドに合わせ て瞬く間に変化する。半強制的に、その情報に適する感情に振られることで余計な思考が止まるような感じがする。Twitterにも思考を抱き止められている。
 
 ただ、Twitterは不意に自分の見たくないものまで目にすることがある。スーパーマーケットのお肉ゾーンで「これは口の中に入れても大丈夫なのか?」というグロテスクなホルモンや、切り落とされた豚足が突如現れ、驚き、怖いと思いながらも結局まじまじと見てしまう。そして、存分に観察した後、みぞおちあたりがくすぐったくなる。スーパーマーケットでも同じようなことはある。

~ウィッチンケア第15号掲載〈散歩、あるいはスーパーマーケットとTwitter〉より引用~


内山結愛さん小誌バックナンバー掲載作品:〈散歩、あるいはラジオ〉(第14号)


 ※ウィッチンケア第15号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!
 
 
 
【最新の媒体概要が下記で確認できます】
 

Vol.15 Coming! 20250401

自分の写真
yoichijerryは当ブログ主宰者(個人)がなにかおもしろそうなことをやってみるときの屋号みたいなものです。 http://www.facebook.com/Witchenkare