2023/04/30

VOL.13寄稿者&作品紹介07 木俣冬さん

あの木俣冬さんが今回、ウィッチンケア第13号にご寄稿くださったこと、私(発行人)はとっても嬉しく思っています。「あの」...というのは、テレビドラマ好きのかたなら、いや、それほど好きではなくても、話題作が気になってネットで調べてみたことのある人だったら、きっと木俣さんのドラマ評に行き着いた経験が、あるはず(じつは私もその一人なのだ)。そんな木俣さんがなぜ、Witchenkareに? 話せば(書けば)長くなります。なので、かいつまんで説明します。...そもそもは、昨年の朝ドラ「ちむどんどん」。なにしろ流行語大賞に「#ちむどんどん反省会」がノミネートされたくらい“話題”になった作品でしたが、私、久しぶりに朝ドラにハマりました。前半、あまりの展開に2度挫折したものの、中盤以降はほぼリアルタイム・コンプリート。あまりにもつまらなくて出鱈目で、目が離せなかったのです。「なんでオレの受信料でNHKはこんなもんをつくってるんだ!?」みたいな憤懣を抱えて、ネットを彷徨う日々。


ネットと朝ドラ」という著書もある木俣さんは「CINEMAS+」にて毎日毎話、冷静な視線で「ちむどんどん」評を続けていました。でっ、私、...納得がいくのです、木俣さんの解説なら。そんなこんなで、秋。ドラマの終盤、木俣さんは脚本家・羽原大介氏へのインタビューを《Yahoo!ニュース》に寄稿、さらに番組終了後の10月1日には《リアルサウンド》に、「『ちむどんどん』羽原大介が伝えたかったものは何だったのか 202X年の最終話を終えて」というエントリーを書いています。私はこの記事を読んでやっと、「ちむどんどん」とはなんだったのか、自分のなかで整理できたのです(とくに、羽原氏がつかこうへいの弟子筋であることを知って、霧が晴れるような気持ちになった)。もちろん、私の同作に対する「つまらなくて出鱈目」という評価は変わらないし、木俣さんが個人的にどう評価していたのかも...これはコワくてちゃんと伺ってないw。ただ、ライターとしてご自身の担当した作品をきっちり見届けた、その姿勢に感銘を受けたのです。

とにかく、約半年間も私のメンタルを支えてくださった木俣さんに寄稿依頼したい、と思ったのでした。見本誌を送付、などのやりとりの後に良いお返事が。そして年が明けて受け取ったのが、今号に掲載した「まぼろしの、」なのです。タイトルからは推察できませんが、本作は俳優・小栗旬についての評論...いや、私論的エッセイといったほうが適切かな。木俣さんはまだ二十代の小栗さんのイギリス公演に同行してルポを書いたり、というキャリアの持ち主。2022年、テレビでは「鎌倉殿の13人」での北条義時役が話題でしたが、木俣さんは同ドラマでの小栗さんのことも、舞台「ジョン王」に関するさまざまな逸話と絡めながら、独自の観点で語っています(ちょっと...世の中の小栗旬ファンは必読、の1篇ですよ!)。そんな木俣さんは現在、今年の大河ドラマ「どうする家康」のノベライズを執筆中。私もノベライズという仕事の経験者なので、ご多忙のなか本作を送ってくださったこと、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。


 映画やドラマと忙しい小栗さんにとって「ジョン王」は5年ぶりの舞台で、しかも、戯曲を深く読み込むような作品は15年に小川絵梨子さん演出によるふたり芝居「RED」以来になる。7年ぶりでどうなるかと思ったが、声はしっかり聞こえるし、戯曲や演出の意図を適切に理解して演じているように感じた。
 この数年、「鎌倉殿」のために筋トレにも励んでいたようで、そのせいか声が安定しているような……。へんに上半身を鍛えると声が出なくなるとある俳優から聞いたこともあるし、体幹を鍛えることで声が出るようになるとも聞く。いい筋肉が、舞台での安心感に繋がったのではないだろうか。そこでふと思い出したのは、その昔、英国公演に挑むとき、小栗さんがカラダを鍛えようとしていたことである。蜷川さんは「エアロン(そのとき演じた役の名前)の植物のような蒼さと強さをもったセクシーな魅力」を求めて筋肉をつけ過ぎることを好まなかった。思うようにできることはまだ少なく、届かない想いに揺れている若い俳優が、16年の時間のなかで、ようやく自分の望むようなカラダで舞台に立っている。その安定感のようなものが「ジョン王」から伝わって来るようだった。

〜ウィッチンケア第13号掲載「まぼろしの、」より引用〜


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2023/04/29

VOL.13寄稿者&作品紹介06 コメカさん

ウィッチンケア第13号が初寄稿となるコメカさん。私が最初にコメカさんを知ったのは、2010年にTVOD(バンスさんと共同名義のテキストユニット)として出版された「ポスト・サブカル焼け跡派」を読んででした。TVODのお二人は1984年生まれ。...あんまり年齢のこととか世代論みたいなのには振り回されないようにしているんですが、なにしろこの本はサブカル分野の歴史を検証するものでして、第1章が矢沢永吉と沢田研二と坂本龍一についての考察から始まるという...書店でこの本を手に取ったとき、「エーちゃんとジュリーと教授がもう“歴史”なのか!」と衝撃でしたよ(でっ、購入せざるを得ないと)。ちなみに1984年、それは勤め人だった私(発行人)が勤務中に銀座の山野楽器でブルース・スプリングスティーンの「BORN IN THE U.S.A.」(輸入盤/もちろんLP)を買った年。当時の山野楽器って、当時のタワーレコードに負けないくらい輸入盤が充実していました。あっ、ほら、やっぱり話が古くなる。。。




 コメカさんは昨年10月30日の「文化系トークラジオLife 〜なぜ今、私たちはこんなに覚えられないのだろう〜」に出演されて、そのときのお話がとても印象に残りました。じつはそれよりもまえから面識はあって、というのもコメカさん、東京・国分寺にある早春書店の店主でもあるのです。昨春、第12号を営業にいったら快く取り扱ってくださいまして(...なんか私、Witchenkareをつくり始めてから人にお願いごとばかりしてるな、スイマセン)、それで今号では執筆依頼も引き受けてくださいまして、そして届いたのは、私がぼんやりしている間に過ぎ去ってしまった2010年代を「接続と動員」というキーワードで考察した〈さようなら、「2010年代」〉という寄稿作なのでありました。作中にもっとも頻出するのは、「場」という言葉。《「接続と動員」そのものの如何を問う以前に、そもそもそのための「場」をビッグ・テックに丸投げしていてよいのか、という考えてみれば当たり前の問題が、「2010年代」の終わりとともに改めて浮上したと言えるだろう》...たしかにインターネットの普及とともに世の中が変わり、2010年代以前にも【2ちゃんねるの時代】【Mixiの時代】みたいな現象はあったけれども、2010年代のTwitterに比べたら「好事家の集まり」的だったかもしれず。ほんと、振り返れば2010年代はビッグ・テック(私企業)の意のままに、私たちが「接続と動員」させられていたのかもしれない、とも私には感じられます。

ビッグ・テックの横暴で焼け跡と化した2020年代(←【注】コメカさんはそんなことは言っていません、私の思いつきです)...もとい、とにもかくにも、次のディケイド。私たちはいかにしてネットと繋がり、新たな回路をつくっていくのか。また、そのさいの「場」とはどのようなものになるのか? コメカさんは作中で問題点や注意点を細かく挙げてはいますが、それでも「かなり楽天的」とも述べています。本作には2020年代をよりよきものにするためのヒント、がいっぱい詰まっています。ぜひ小誌を手に取って、内容をお確かめください!



「2010年代」に話題になったインディーズの雑誌・ZINEや本屋・古本屋は総じて、SNSを通してその存在を知られたものが多かったと思う。インディーズ=独立系として運営されるそれらが、SNSという「場」=メディアにおける情報や商品になる。下手をすれば、それらそのものが「社会へのアクセス」を成立させる「場」であることよりも、それらが「場」としてのSNSで如何に衆目を集めるアイテムになるかが論点になってしまうような状況が、この十年にはあった。広告収入モデルに依拠したSNSは、その内部でトラフィックを増やす=「接続と動員」をどれだけ活性化させることができるかが、運営収益の鍵になる。雑誌や店のような「場」が、ビッグ・テックが運営するSNSというより大きな「場」に飲み込まれ、その「接続と動員」に貢献するいちアイテムになってしまうような状況は、確実にあったと思う。

〜ウィッチンケア第13号掲載〈さようなら、「2010年代」〉より引用〜


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VOL.13寄稿者&作品紹介05 蜂本みささん

ウィッチンケアでは前号(第12号)からの寄稿者・蜂本みささん。今号にも快作を届けてくださいました。mmm...「にも」、ですよ。私(発行人)の個人的見解としては。前作「イネ科の地上絵」も、日常と不条理が混濁した、なんともいえない「蜂本さんワールド」が展開していたのですから。第13号に掲載した「せんべいを割る仕事」については、今号寄稿者・荒木優太さんが「文学+」の時評でとりあげていたり、他のかたからも状況設定がおもしろい、といった“声”を聞きました。私としては、それに加えて主人公「久野くん」のキャラづくりの独自さにも注目してもらいたいと思うのです。なんか、エンタメ系物語などでの「話の進行上で必要な役割を担ったキャラ」みたいなのとは全然違う、理不尽な職場になぜか迷い込んじゃった、みたいな人物像。


作品の前半で作者は主人公の人物像を《橋の上から川の流れを眺めていると通り過ぎていく落ち葉の鮮やかな黄色に目を奪われて、川全体を見失ってしまうようなところが久野くんにはあった》と描写していまして...こういうキャラって、つくろうとしてもつくれないんじゃないかな。邪推すれば、「久野くん」と作者には共通する「素」というか「地」みたいなもの、があって、その感受性のまま「創作上のせんべい工場でのできごと」を語っているのではないか、と。なんというか、もっと「フツーな人」がこの職場で働いても、せんべいが月や珊瑚や赤ちゃんには見えないと思う。せんべいに笑いかけられたり、なつかれたり、恨まれたりもしないと思います! このなにか異様な感覚は前号寄稿作を読んだときとも共通するものでして、つまりこれが「蜂本さんワールド」(蜂本文学!?)なのだなぁ、と。そんな蜂本さんのこれまでの活動歴は、第12号掲載「イネ科の地上絵」の寄稿者&寄稿作品紹介に書きました。ぜひ、再読してみてください。

若者のアルバイト体験談の体をとりながら、後半では経済社会的な誤謬についてもチクリと刺している蜂本さん。《買う人だって分かっているのだ。こんな大量の割れせんが自然にできるはずがない。パッケージに訳ありとか不揃いとかこわれとか切り落としと書くとよく売れて、売る方はそれでうれしい。買う方は安く買える言い訳ができて、やっぱりうれしい。理由もないのに安いと不安になる。そういう仕組みを埋めるために自分たちがいる》...このへんの乾いたシニカルさから私が連想したのは、最近のテレビでやたらと見かける、ファミレスやコンビニや回転寿司の食べものを褒めるタレントさんのことでした。あの「おいしい!」はもちろん「(○○○にしては)おいしい!」で、《そういう仕組みを埋めるために自分たちがいる》と思ってやっているんじゃないか、と...いや、自信ないな。「(○○○にしては)」なしで言ってるかもしれなくて、それはそれで怖い社会w。


 手に取って割って離す、手に取って割って離す。脳の中のある領域が目の前の単調な現実に色を塗り始める。ベルトコンベアの上を生まれたてのせんべいたちが駆けてくる。ふわふわした湯気を振りまきながら頬を焼き目で上気させ、無垢な笑い声をたてている。一匹のせんべいが久野くんの両手に飛び込んできて、くすぐったそうに身を震わせる。と、せんべいの背骨に無理な力がかかり、恐怖と驚愕でせんべいの目はいっぱいに見開かれる、嘘でしょう、どうして? けれどそれはほんの一瞬のことで、その身はあっけなく二つに裂かれ手からすべり落ちる。もはや光を映さない無数の暗い目がゴミ箱の底から久野くんを舐めている。

〜ウィッチンケア第13号掲載「せんべいを割る仕事」より引用〜

蜂本みささん小誌バックナンバー掲載作品:〈イネ科の地上絵〉(第12号)


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2023/04/27

VOL.13寄稿者&作品紹介04 加藤一陽さん

今回が「ウィッチンケア」への初寄稿となる加藤一陽さん。山形県山形市出身で、大学生のときにリットーミュージックの『サウンド&レコーディング・マガジン』編集部でキャリアをスタート。2012年には株式会社ナターシャに転職し、『音楽ナタリー』編集長、メディア事業担当役員などを歴任した後に退社。2021年には、カルチャー系コンテンツ・カンパニーを標榜する株式会社ソウ・スウィート・パブリッシング設立。という経歴をお持ちのかたなのですが、私が加藤さんを知ったのは、書店で見かけて面白そうだなと思った「音楽メディア・アップデート考 〜批評からビジネスまでを巡る8つの談話」という本の著者として、でした。同書の表紙には小誌寄稿者・柴那典さんの名前があり、他の7名も、音楽好きにとっては気にならないわけがない人選。それで、読んでみてもちろん各人の語る内容も興味深かったのですが、個人的に一番おもしろかったのは、インタビュアーである加藤さんの状況認識や問題の立て方、そして各人への質問の切り口も。最初は8名への関心、でも読後は「これって加藤さんの本だな。加藤さんって面白い。じゃ、加藤さんと連絡をとって、寄稿依頼してみよう」と。


 昨年の秋、実際にお目にかかることになって、タリーズコーヒー東急プラザ渋谷店で待ち合わせをしました。私(発行人)にとってはひさびさの渋谷駅西口周辺...え〜っ、いまはこんなになってるんだ! 東急プラザ、私が知ってたタケノコ色のより全然背が高くなっていて動揺。でっ、じつは私、タリーズの席の確保や注文の仕方もよくわかってないので、結局加藤さんが先にキープしてくれていた席に少し遅れて到着、という失態を。初対面の加藤さんは長身で、穏やかな笑顔。正直、お原稿が届くまで、作品内で描写されている〝飲み散歩〟が趣味だとは思いませんでした。なお、加藤さんが設立した株式会社ソウ・スウィート・パブリッシングは、東急プラザ渋谷店を含む複合施設「渋谷フクラス」内にあります。

加藤さんの寄稿作「リトルトリップ」...最初は〝飲み散歩〟の楽しさから始まりますが、私もかつて暮らしていた世田谷〜渋谷界隈の日常風景が細やかに描かれていて、そこに鮎川誠、高橋幸宏といった、今年惜しくも亡くなってしまったミュージシャンの目撃談も挿入されていて、光景が目に浮かぶよう。この地区と故郷・山形の対比をしている箇所も、なるほどなぁ、と納得してしまいます。でっ、後半になると現在の加藤さんの仕事にまつわる雑感なども語られていまして、そうか、令和の時代になってスタートアップする企業ってこういう感じなのか、と読者にとっても示唆に富んだ一篇...なにより、加藤さんの語り口が絶妙で、文才が感じ取れるのです。ああ、かつて私が「「音楽メディア・アップデート考〜」を読んで、「これって加藤さんの本だな」と思ったのは、この滑らかでユーモアも含んだ魅力的な文章のせいでもあるな、と再認識した次第。みなさま、ぜひ小誌を手に取ってお確かめください!



「もう5年もすれば、〝60代のおじいちゃんおばあちゃんがビートルズを聴く時代〟になるんだよ」
 どこかの大人にそんな話を聞かされて、無邪気に感心していたのは小学生の頃だ。3世代同居率が異常に高い山形では、60代は純然たるじいちゃんばあちゃんだった。そこに育った自分にとって、60代は、友達ん家に遊びに行ったとき、軒先から素手でちぎり取ってきた干し柿をくれたりする人たちだった。そういう身近なじいちゃんやばあちゃんたちが聴くのは演歌や民謡に決まっていたから(偏見)、洋楽ロックの象徴たるビートルズが結び付くはずもなかった。それが今では、ポール・マッカートニーなんて80歳の時代だ。紅白歌合戦では桑田佳祐さんや佐野元春さんが〝同級生バンド〞として出演されていて、みんな60歳も過ぎているらしいけれど、干し柿感なんてまるでない。そういう意味でも時代は変わっていて、つまり気が付いたら、すでに〝60代がエレキギターを弾くことなんて当たり前の時代〞を自分は生きているのだった。と同時に、自分の人生を照らしてきたミュージシャンたちが、突然いなくなることが不思議ではない時代になっていた。

〜ウィッチンケア第13号掲載「リトルトリップ」より引用〜


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2023/04/26

VOL.13寄稿者&作品紹介03 野村佑香さん

 前号への寄稿作「渦中のマザー」では、コロナ禍のステイホーム状態を創意工夫に満ちたアイデアで乗り切った体験を綴った、野村佑香さん。今号での「おしごと 〜Love Myself〜」は、もちろん大切なご家族も登場するのですが、ごくごくプライベートな、野村さんの内面についての一篇です。メディアでブームを起こした少女時代から、現在に至るまでの心境の変化について。内容については、私(発行人)がこの場で解説するよりも、野村さんのInstagramにあるエントリーを読んでいただくのがベストなんですが、でも、ちょっとだけ引用しますと...「自分のチャイドル時代の感情を振り返りながら、love myselfって何だろうって新しい一歩踏み出すまでの話」...いや、やっぱりインスタに、ぜひアクセスしてみてください。本作に深く関連する、野村さんのクールなダンス動画もありますし!



しかし、まさか野村さんの“推し”があのアーティストだったとは! 作品タイトルでピンときた人は、いわゆる「アーミー」さんかな? じつは私も「Dynamite」をアップルミュージックで購入したりしていまして(って、ネタバレすいません/べつに隠すことでもないし...)。あっ、そうだ、3月末に、できたばかりのウィッチンケア第13号の配本で都内をクルマで廻ったんですが、そのさい一番活気のある感じに見えた街が、大久保〜新大久保だったんですよね。なんか、あの一帯って熱気が溢れている。それとは対象的に人が歩いてないな〜、と思えたのが原宿〜渋谷で、とくに海外高級ブランドが軒を並べているRAYARD MIYASHITA PARK(元宮下公園)周辺。もちろん車窓からだけで、キャット・ストリートのほうに入っていったら違うのかもしれないけれども...。

野村さんがBTSから受けた一番の影響...ここが、本作の核心部分です。原稿が送られてきて、初読でちょっと痺れちゃいました。いわゆる“推し活”って、こんなポジティヴな作用があるんだ、とびっくり。と、同時に、私もかつて野村佑香さんのことを「チャイドル」だと認識していましたが...ええと、その「認識」ってどこからやってきたのだろうか? 自身の記憶を辿るに、おそらく1990年代前半に愛読していた雑誌「SPA!」(週刊SPA!)あたりが震源地ではなかったか、と。その後「チャイドル」という言葉は一人歩きして、テレビ等でも普通に使われるようになって。現在の野村さんは、その言葉を《キャスティングする側の大人が、「子供モデル」だけどドラマにも出る私のような子たちを、芸能活動の中で定義しようってことで名付けたもの》《「子役」とは少し違う、今までどう呼べばよかったのか分からなかったジャンルに名前が付》いた、と語っていまして...さて、BTSと「かつてのチャイドル」(野村さん)との関係性とは? ぜひ小誌を手に取ってお確かめください!



 私が衝撃を受けたRMの一言は、アルバム三部作でテーマとして掲げていたLOVE YOURSELFツアー中での言葉だった。三部作最後のアルバム、『LOVE YOURSELF 結‘Answer’』に「答え」と題した歌があり、歌詞にこんな一節がある。

그저 날 사랑하는 일조차/ただ自分を愛すってことでさえも
누구의 허락이 필요했던 거야/誰かの許可が必要だったんだ
                  「Answer : Love Myself」

「あぁ、これは私のことだ」と思った。自分の未来は自分で切り拓いていくものなのに。ほんとのほんとは誰かの許可など、必要のないものなのに。感謝と執着はまったくの別物なのに。自分の頭だけの空想の誰かの「いいね」に囚われてしまったこと。そこから一歩を踏み出して、自分がなりたい自分になるために。

〜ウィッチンケア第13号掲載「おしごと 〜Love Myself〜」より引用〜

野村佑香さん小誌バックナンバー掲載作品今日もどこかの空の下(第6号)/物語のヒツヨウ(第7号)/32歳のラプソディ イン マタニティ〉(第8号)/二人の娘〉(第10号)/〈渦中のマザー(第12号)

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2023/04/25

VOL.13寄稿者&作品紹介02 中野純さん

 現在は体験作家、闇歩きガイドとして「闇の大切さ」を広く説き続けている中野純さん。昨年8月にはNHK Eテレの「SWITCHインタビュー」に片桐はいりさんとともに出演。また同年11月にはJ-WAVEの「UR LIFESTYLE COLLEGE」で吉岡里帆さんと対談したり...私は中野さんとは短くもないお付き合いなので、超オシャレで超スリムだった若き日の中野さんが、インディーズ音楽やホーミーやMacintoshに夢中だった時代も知ってはいるのですが、四半世紀以上の時を経て、人はこうして自身のライフワークを発見していくのだな、とある種の感慨を覚えたりして。でっ、そんな中野さんのウィッチンケア第13号への寄稿作は、ド直球(野球に例えるところが四半世紀感w)。なぜ闇が大切なのかを大真面目に(but おもしろく)語っています。

中野さんの思考回路はときに込み入っていまして、私などに解説できるものではありませんが、たとえば寄稿作の最後のほうには「どうでもいいけど絶対に必要」みたいな一文がさらりと。「どうでもいい」but「must」...こうした“併存”は、もしかすると中野さんの本稿執筆開始時からの姿勢なのかもしれなくて、大真面目な「闇論」の冒頭から、いきなり《かのテーゲは生まれてすぐに「もっと闇を!」と言ったという》と不真面目に(...ここ、とっても大事なので、「ん!?」とスルーしないでほしい)。ええと、老爺心で注釈しますと、もちろんJohann Wolfgang von Goetheの「Mehr Licht!」を踏まえての面白ネタ(!?)です...って、却ってわかりにくいって。。。

タイトルに使われている「臥学」「歩学」という言葉は、「座学」へのカウンターとして中野さんが生み出した造語、と捉えるべきだと思います。《座学のSDGs教育だけではダメなのはもちろん、班を分けて調査してレポートしましょうでもダメで、人間が生態系の一員であることを実感するために、なにより夜の山へ行って、闇の森の中で仰向けに寝っ転がらせるという教育をすべきだ。座学でなく「臥学」だ。それとともに、夜の山を無灯火で駈けるように歩く「歩学」もよろしい(当然、安全を確認したうえで)》。さて、闇を疎かにする現代人には、どんな未来が待っているのか? 作中に何度も登場する「謙虚」という言葉に込められた中野さんの思いを、ぜひ小誌を手に取ってお確かめください。



 というか、そうしないともう近代以降に人間の心に染みついた傲慢さは拭い去れない。ちゃんと闇を補給しないと、他人との一体感、環境との一体感、自然との一体感をどんどん失っていく。そして、闇の中で活発になる野生動物たち(人間が闇に追い込んだので)がほとんど存在していないように思い、虫や細菌なども徹底的に排除し「人間+ペット+ペット的な植物」だけの世界を生きているような感覚でいる。世界がそれだけでつくられているかのように暮らしている。その異様さを異様だと思わない。
 森の中で仰向けになったあとは、山頂など、空の開けたところでも仰向け寝しよう。とくに、よく晴れて空気の澄んだ夜に満天の星を浴びると、地球だけでなく宇宙に対してもたいへん謙虚にならざるをえない。広大という言葉も不適切なほど広大すぎる宇宙を前にして、自分のちっぽけさ、地球の、太陽系のちっぽけさを多くの人が感じる。

〜ウィッチンケア第13号掲載「臥学と歩学で天の川流域に暮らす」より引用〜

中野純さん小誌バックナンバー掲載作品:〈十五年前のつぶやき〉(第2号)/〈美しく暗い未来のために〉(第3号&《note版ウィッチンケア文庫》)/〈天の蛇腹(部分)〉(第4号)/〈自宅ミュージアムのすゝめ〉(第5号)/〈つぶやかなかったこと〉(第6号)/〈金の骨とナイトスキップ〉(第7号)/〈すぐそこにある遠い世界、ハテ句入門〉(第8号)/〈全力闇─闇スポーツの世界〉(第9号)/〈夢で落ちましょう〉(第10号)東男は斜めに生きる〉(第11号)/〈完全に事切れる前にアリに群がられるのはイヤ〉(第12号)

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2023/04/24

VOL.13寄稿者&作品紹介01 荻原魚雷さん

 ウィッチンケア第8号からの寄稿者・荻原魚雷さん。ツイッターやインスタグラムなどのSNSとは距離を置いていますが、ご自身のブログ「文壇高円寺」は2006年8月からずっと続いていて、今号への寄稿作についても、2023年3月26日の記事で触れています。私が荻原さんのブログを拝見するようになったのは...たぶん、2010年よりちょっと前くらいじゃないかな。そのころからデザインも変わらず、生活雑感を日記的に綴っていて、いまでは訪れるとある種の風格すら醸し出しているような佇まい。「アルファブロガー」とか「インフルエンサー」とかいうのとは無縁のマイペースぶりがご著書の内容とも通底していて、ぶれないなあ、と感服です。


荻原さんの今号への寄稿作「社会恐怖症」は、人間関係や会話の綾についての、自身の体験談も交えての考察エッセイ。誰にでも心当たりがありそうなことを、サラリとした筆致ながら、かなりきわどく分析した箇所もあってハラハラします。作中で印象的だったのは、荻原さんが30歳前後で飲み屋通いをしていたころの自分を「自分の趣味、専門分野に関する語彙はあっても、いわゆる不特定多数の人と世間話をするための言葉が不足していたのだろう」と述懐する一文。それで、飲み屋では会話が成立しなければ黙っているし、深夜になって自分の頭の調子が良くなると「人としゃべることが苦にならなくなる」...ちょっと羨ましかったです。私の若いころは、その反対だったな、と。沈黙が恐くて興味のないことに饒舌になって、一人人知れず、どどっと疲れたり。

むかし、それほど付き合いのあるわけでもない知人と一晩飲むことがあったさいに、ごく軽い音楽話(お天気の話みたいな感じで)を振ってみました。「○○さん、好きなギタリストって誰ですか?」。相手はニコニコして「そうだな、ジャンゴ・ラインハルトかな」と。うっ...これはまずいことを訊いてしまった。オレ、そもそもジャンゴって、名前しか聞いたことないし。そのときは「○○さん、なんでそんなかっこいいこと言えるんですか?」みたいな変化球を返して事なきを得たのですが...ええと、なんでこんなことを思い出したかというと、以下の引用で荻原さんが使っている《危険牌》という言葉の意味が、実感として理解できたからです。


 こちらが知っていることを相手が知らず、相手の知っていることをこちらが知らない。また相手の知らないことを伝えようとする熱意もなければ、こちらも興味のないことを理解しようという気持もなかった。これでは会話が成立しなくて当然である。
 人付き合いはむずかしい。今、話しかけていいのか、それとも話しかけないほうがいいのか。考えれば考えるほどわからなくなる。しゃべらなくていいところで急に饒舌になってしまうこともある。
 人によって距離感がちがう。昔の自分はそういうことがまったくわからなかった。同じようなことをいっても平気な人、怒る人、傷つく人がいるとか、対人用のデータが増えていくにつれ、人間にたいする苦手意識も軽減した。
 麻雀で危険牌が通るか通らないかみたいな勘と近いかもしれない。ちがうかもしれない。

〜ウィッチンケア第13号掲載「社会恐怖症」より引用〜

荻原魚雷さん小誌バックナンバー掲載作品:〈わたしがアナキストだったころ〉(第8号)/〈終の住処の話〉(第9号)/〈上京三十年〉(第10号&《note版ウィッチンケア文庫)/〈古書半生記〉((第11号)/〈将棋とわたし〉(第12号)

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2023/04/18

正式発行から2週間ちょい経って(ウィッチンケア第13号)

 しかし今年の桜は早かったので、第13号の正式発行日にはもう葉桜かな、と思ったら意外と長持ちしましたね。コロナ鍋(○禍)以降、ひさびさに春の景色をあちこちで楽しめました...そう、2~3月の引き籠もり生活から一転、4月前半はおもに都内の書店様をあちこち訪ねていたのです。




今号では、とにかく「フィジカルなウィッチンケア」を多くの方の目に留めてもらいたい、触ったり、ページを捲ったりしてもらいたい、と考えて動いています。これまで、なんだかんだ言ってもネット書店での売上比率が高かったのですが、敢えて「紙でしか読めないもの」をつくっているのだから、そこは、もうちょい頑張らなければ、と。


結果として、アマゾンでの順位推移は前号より凪ぎ気味。でも取次会社からは2回の追加注文があり、過去最高の取り扱い部数。直取引の、おもに独立系書店様からの注文(追加も!)も続いていて、なんと、拙宅の在庫がとっても少なくなっています。


この状態で、月刊誌でも季刊誌でもなく、年1回発行の小誌。いまリアル書店の店頭に並んでいるもの(and ネット書店の在庫)が、のちに返品されることなく、無事によい読者と巡り会い旅立ってくれるようにするには、なにをすればいいのか? ひとつはっきりしているのは、第13号の内容について、まだまだお伝えし切れていないな、という...いや、これ、一番むずかしいんですよ。表紙まわりに内容のわかる帯が付いているわけでもないし...あの表紙が醸し出している「読むと面白いんですよ!」という“気”のようなものを、書店のお客様が感じ取ってくだされば...。


と、そんなスピリチュアルなことを妄想していても仕方がないので、今年もそろそろ《寄稿者&作品紹介》を公式ブログ(とnote)で始めます。これから1ヶ月余、各種SNSもさらに喧しくなりそうですが、ぜひお付き合いください。


そして、来月5月21日に開催される「第36回文学フリマ東京」に、今年も「ウィッチンケア書店」として出店します(仲俣暁生さん、木村重樹さんとの共同主宰)。この準備を恙なく進めるためにも、《寄稿者&作品紹介》を、より俊敏に遂行せねば。あと、文フリで販売する第13号の在庫を確保しながら、残り少ない手持ち分を、効率的に世の中へ送り出して...。


みなさま、2023年4月1日に正式発行となりました文芸創作誌「ウィッチンケア」第13号を、引き続きどうぞよろしくお願い致します!


★noteでの3月26日にまとめた《ウィッチンケア第13号を手に取れる書店》一覧、こちらにも最新版を掲載します!


【北海道】
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店

【青森県】
まわりみち文庫

【秋田県】
乃帆書房

【宮城県】
曲線

【茨城県】
ACADEMIA イーアスつくば店

【東京都】
古書ビビビ
本屋B&B
双子のライオン堂
タコシェ
フラヌール書店
蟹ブックス
UNITÉ
書肆 海と夕焼
本屋 title
SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS本店
バックパックブックス
BOOKSルーエ
今野書店
BREWBOOKS
葉々社
百年の二度寝
書肆スーベニア
旅の本屋のまど
早春書店
本屋イトマイ

【神奈川県】

【千葉県】

【静岡県】
本と、珈琲と、ときどきバイク。

【愛知県】
TOUTEN BOOKSTORE
ちくさ正文館

【新潟県】
SANJO PUBLISHING

【京都府】
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ウィッチンケア第13号(Witchenkare VOL.13)
発行日:2023年4月1日
出版者(not社):yoichijerry(よいちじぇりー)
A5 判:224ページ/定価(本体1,600円+税)
ISBN::ISBN::978-4-86538-146-7 C0095 ¥1600E


【寄稿者/掲載作品】 ~「もくじ」より

006 荻原魚雷/社会恐怖症
010 中野 純/臥学と歩学で天の川流域に暮らす
016 野村佑香/おしごと 〜Love Myself〜
022 加藤一陽/リトルトリップ
028 蜂本みさ/せんべいを割る仕事
034 コメカ/さようなら、「2010年代」
040 木俣 冬/まぼろしの、
044 久禮亮太/フラヌール書店ができるまで
050 すずめ 園/惑星野屋敷
058 荒木優太/不届きものの後始末
062 美馬亜貴子/スウィート・ビター・キャンディ
066 武田 徹/鶴見俊輔の詩 〜リカルシトランスに抗うもの〜
072 久山めぐみ/坂元裕二と普通であることとメロドラマについてのノート
078 柳瀬博一/カワセミ都市トーキョー 序論
086 朝井麻由美/削って削って削って
090 武田砂鉄/クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー
096 宇野津暢子/好きにすればよい
102 多田洋一/パイドパイパーハウスとトニーバンクス
116 トミヤマユキコ/変名で生きてみるのもええじゃないか
120 長谷川町蔵/ルーフトップ バー
126 小川たまか/別の理由
132 吉田亮人/写真集をつくる
136 谷亜ヒロコ/ホス狂いと育児がほぼ同じだった件
140 武藤 充/氷武藤家の足跡
144 久保憲司/余命13年
150 仲俣暁生/ホワイト・アルバム
156 柴 那典/ベーグルとロースとんかつ
162 清水伸宏/アンインストール
170 ふくだりょうこ/この後はお好きにどうぞ
174 矢野利裕/3年ぶりの合唱──『学校するからだ』のアナザーストーリーとして
180 藤森陽子/梅は聞いたか
184 木村重樹/アグリーセーター と「本当は優しい鬼畜系」の話
190 宮崎智之/書くことについての断章
196 東間 嶺/口にしちゃいけないって言われてることはだいたい口にしちゃいけない
202 かとうちあき/おネズミ様や
206 山本莉会/かわいいみんなのおだやかでない話
210 我妻俊樹/北極星
218 参加者のVOICE
223 バックナンバー紹介

編集/発行:多田洋一
写真:千賀健史
Art Direction & Design:太田明日香
取次:株式会社JRC(人文・社会科学書流通センター)
印刷/製本:株式会社シナノパブリッシングプレス


〈2010年4月創刊の文芸創作誌「Witchenkare(ウィッチンケア)」は今号で第13号となります。発行人・多田洋一が「ぜひこの人に!」と寄稿依頼した、37名の書き下ろし作品が掲載されています。書き手にとって、小誌はつねに新しい創作のきっかけとなる「試し」の場。多彩な分野で活躍する人の「いま書いてみたいこと」を1冊の本に纏めました!〉


【公式SNS】

※たたり 〜ノベライズ・ウィッチンケア第13号〜
(下記URLを読むと第13号の全体がざっくり見渡せます)
https://note.com/yoichijerry/n/n7b300e9c6283


Vol.14 Coming! 20240401

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yoichijerryは当ブログ主宰者(個人)がなにかおもしろそうなことをやってみるときの屋号みたいなものです。 http://www.facebook.com/Witchenkare