約1年前、ウィッチンケア第14号の寄稿者&作品紹介で、私(←発行人)は宮崎智之さんの『人生の「寂しさ」について』という一篇について語りました。その際、〈宮崎さんが2020年に上梓した『平熱のまま、この世界に熱狂したい 「弱さ」を受け入れる日常革命』(幻冬舎)は文庫化が決定、来月(6月10日)に増補新版として筑摩書房のちくま文庫より再刊〉〈増補版での新章は3篇からなり、そのうちの1篇は小誌今号にご寄稿くださった『人生の「寂しさ」について』を改題&大幅改稿して書き下ろしたもの、とのこと〉ともお伝えしましたが、時は流れまして...『一生懸命で寂しい人』と改題された同作を収めた『平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版』は予定どおり刊行され、しかも大好評で増刷が重なり、現在すでに五刷とのこと。素晴らしい! おめでとうございます!! そんな宮崎さんは、随筆/エッセイ・ムーブメントに呼応する文芸誌「随風」の創刊にも関わり(早乙女ぐりこさんとともに)、こちらも早々と増刷が決定したとのこと。〝持って〞ますね...というか、常日頃から積極的に活動してきたことの成果/一斉に花開いているように思えます。小誌も頑張りましょう。
宮崎さんの今号への寄稿作は「補欠論」。前半では『SLAM DUNK』に影響を受けて小学生の頃からひそかにバスケットボールの練習に打ち込み、中学校ではバスケ部に入った、という体験が記されています。この中学校のバスケ部の男女構成や力関係がなどがちょっと複雑なのですが、そこは小誌を手に取ってのお楽しみ、ということで...そして、本作後半でメインに語られているのは、1年生ではレギュラーだったものの、2年生で補欠に落ちたという事実と、その後の補欠(シックスマン)としてのご自身のスタンスや心の在りようについて。このときの腐ることなく、謙虚かつポジティヴな姿勢が、今の筆者に繋がっているのだと伝わってきます。
今号ではカツセマサヒコさんもバスケを題材にした一篇をご寄稿くださり...宮崎さんもカツセさんもスラッとしていて、しかもたしか、以前は近しい仕事環境にいらっしゃった、というように伺ったことがあり、これは不思議なシンクロニシティ。文化系度高めの小誌に、体育系の風を吹き込んでくれたお二人に、発行人として感謝です!
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