前回はウィッチンケア第14号に〈ウルフ・オブ・丸の内ストリート〉という、ハードボイルド小説のような切れ味のエッセイをご寄稿くださった九龍ジョーさん。同作はのちに九龍さんのZINE「マネーチェンジエブリシング」に収録され、神保町のシェア型書店PASSAGE by ALL REVIEWS「九龍ジョーの本棚」などで販売中です。そんな九龍さんの小誌第16号への寄稿作は、〈ホットケーキ〉と題された掌編小説。タイトルだけだとふんわりしたお話のようにも感じられますが、そんな甘口ではありません。むしろ、修羅場。


ウィッチンケア第16号(Witchenkare VOL.16) 発行日:2026年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税)
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN:978-4-8-6538-180-1 C0095 ¥2000E
朝、コーヒーを入れてやると、「喫茶店で働いてるのに、インスタントしかないんだ」と小言をいう。高二の分際で仕事に対するプロ意識みたいなものをちらつかせてくるのはうざったいが、同時にかわいらしくも感じた。
ある夜、バイトから帰ると、リビングにソウがいた。ゆかりと並んでソファに座り、テレビを見ている。そう思ったが、実際にはゆかりの膝の上にソウのスマホが載っていて、画面を二人で覗き込んでいた。奈緒が入ってきたとき、ソウは素早くスマホをポケットに戻した。
「なに見てたの」
「ゆかりちゃんの出てる動画」ソウが言った。
ゆかりは黙って冷蔵庫に向かい、お茶を出してきた。奈緒はソウの顔を見たが、ソウはテレビに目を戻していた。
数日後、バイトから帰って夜、奈緒がテレビを見ていると、片山から電話があった。
ある夜、バイトから帰ると、リビングにソウがいた。ゆかりと並んでソファに座り、テレビを見ている。そう思ったが、実際にはゆかりの膝の上にソウのスマホが載っていて、画面を二人で覗き込んでいた。奈緒が入ってきたとき、ソウは素早くスマホをポケットに戻した。
「なに見てたの」
「ゆかりちゃんの出てる動画」ソウが言った。
ゆかりは黙って冷蔵庫に向かい、お茶を出してきた。奈緒はソウの顔を見たが、ソウはテレビに目を戻していた。
数日後、バイトから帰って夜、奈緒がテレビを見ていると、片山から電話があった。
ソウが警察に捕まったという。
~ウィッチンケア第16号掲載〈ホットケーキ〉より引用~
九龍ジョーさん小誌バックナンバー掲載作品:〈ウルフ・オブ・丸の内ストリート〉(第14号)
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