2026/05/05

vol.16寄稿者&作品紹介15 鶴見済さん

 ウィッチンケア第14号からの寄稿者・鶴見済さんは、今年1月に「死ぬまで落ち着かない 六十年生きてみてわかった人生のこと」(太田出版)を上梓。好評で増刷もかかるなか、同書に関連した「死ぬまで落ち着かなくてもいい生き方(文筆家・鶴見済)【雨宮処凛のせんべろ酒場】」、「しぬのは怖い?『完全自○マニュアル』から30年、しを恐れる漫画家と語る人生後半の生き方【鶴見済×しりあがり寿】」といった対談動画がYouTubeにアップされています。そんな鶴見さんが小誌第16号にご寄稿くださったのは〈アメリカのフィメールラップにはまる〉。ラップ・ミュージックを題材としているが、いわゆる音楽エッセイではなく、ミュージシャンの生き様、というか“アティテュード”に筆者が共鳴して綴られた一篇なのです。


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作中で取り上げているのは一時期アメリカで隆盛だった「バッドビッチ系フィメールラップ」。おもしろい(...と言ったら失礼でしょうか、スイマセン)のは、話のマクラ的に〝好きなのに好きだとはなかなか言えない音楽〟としてニューミュージック、とくに、という日本のデュオを具体例として出して言及していること...じつは私(←発行人)も「風が好きだった」とは〝なかなか言えない〟...「海岸通り」をコピーして歌ってたくせに。ともあれ、カーディ・B、ミーガン・ザ・スタリオンと風を同じ距離で括って話を進めていく鶴見さんの音楽観に、シャープな独自性を感じたのです。
本作内では筆者の近著「死ぬまで落ち着かない〜」とフィメールラップの関係についても語られています。また鶴見さんのnoteでは、なぜ今回の小誌第16号への寄稿作を書いたのか、その真意も語られていて...双方の文面から私が感じ取ったのは、筆者のフィメールラップに対するセンシティヴでデリケートな対峙の作法でした。たしかに、このジャンルを興味本位とか面白半分とかだと思われないように語ることって、昨今の世の中では難しいかも。それでもなぜ、鶴見さんは敢えて書いたのか? ぜひ小誌を手に取って、お確かめいただければ嬉しく存じます。


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ウィッチンケア第16号(Witchenkare VOL.16) 発行日:2026年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税) 
ISBN:978-4-8-6538-180-1 C0095 ¥2000E


 このジャンルの代表曲とも言える『WAP』という曲がある。歌っているのは、カーディ・Bとミーガン・ザ・スタリオンという、このジャンルの最大級の人気ラッパーだ。WAPとはウェット・アス・プッシーの略。どういう意味のスラングかは調べてほしい。
 歌詞は女性性器、男性性器、男女の性交を直接的間接的に示す言葉のオンパレードで、性行為の主導権は私にあると強調されている。この曲は2020年に初登場で全米1位の大ヒット曲になった。とてつもなくメジャーであることも、このジャンルに注目する大きな要因だ。
 この曲を男の自分がいいと言うのは、ますます危ういだろう。もちろん性欲からの興味で見ていることも決してないと言っておきたい。ムーブメントとして、疑いようもなく注目に値するだろうと思うのだ。

~ウィッチンケア第16号掲載〈アメリカのフィメールラップにはまる〉より引用~


鶴見済さん小誌バックナンバー掲載作品:植物実験をしていた頃〉(第14号)〈推す気持ちがわかっていない〉(第15号)


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Vol.16 Coming! 20260401

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