今月1日に発行された『祐真朋樹のSHOP-A-HOLIC MEMORIES』は、ウィッチンケア第13号からの寄稿者・加藤一陽さんが経営するカルチャー系コンテンツカンパニー「株式会社ソウ・スウィート・パブリッシング」の新刊書籍。同社は渋谷区道玄坂の複合施設内にあり、私(←発行人)もお邪魔したことがあるのですが、加藤さんの小誌今号への寄稿作は、その複合施設での日常生活を垣間見させてくれるエッセイです。より具体的には、PRONTOとアイスコーヒーにまつわる話。しかし「アイスコーヒーを注文する」という行為を題材に、こんなにも諸々の考察を拡げてしまう筆者って...ご自身は作中で自分のことを〝パラッパラッパー〟などと称していますが、それは、ご謙遜。


ウィッチンケア第16号(Witchenkare VOL.16) 発行日:2026年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税)
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN:978-4-8-6538-180-1 C0095 ¥2000E
それで一つ、困ったことになっていて、毎日「アイスコーヒー、レギュラー、コーツーケーアイシー」と喋っていたものだからか、少なくともここ3年ほど、注文カウンターに着いた瞬間にアイスコーヒーがレジ打ちされる、「アイスコーヒーですね」と食い気味に確認される、注文する前から奥のスタッフがアイスコーヒー作り始める、といった有様で、スタッフ連中には何の悪気もないのは分かっているのではあるが、ほかのドリンクを求めるのが憚られる状況になっているのだ。なので自分は、「はい」だか「ありがとうございます」だかなんかを言うのみなのである。無論、消費者として、心をパンクにして「ウィンナーコーヒーが良いと思っていた。今すぐに直してくれたまへ」などと命じることが道理なのはなんとなく解しながらも、自分は肝の据わらないパラッパなので、だらしない笑みを浮かべてアイスコーヒーを受け入れる。氷点下の雨氷の朝でも、だ。しかし、スタッフ連中は〝先回りして客の要求に応えるデキる若者たち(しかも、とても気の良い)〞であることは間違いなく、となれば、真逆な性質のおっさんのことなど理解し得ないに違いないので、ブルブル震えてアイスコーヒーを取る自分を見て、「こんな寒いのにアイスコーヒーばかり飲んで馬鹿なんじゃないか知らん」「ほかのメニューの文字が読めないのだろうか」「冷えて死ぬんじゃないか」などと心配されているようでまた恥ずかしい。
~ウィッチンケア第16号掲載〈俺の生活の柄〉より引用~
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