2026/05/25

vol.16寄稿者&作品紹介37 加藤一陽さん

 今月1日に発行された『祐真朋樹のSHOP-A-HOLIC MEMORIES』は、ウィッチンケア第13号からの寄稿者・加藤一陽さんが経営するカルチャー系コンテンツカンパニー「株式会社ソウ・スウィート・パブリッシング」の新刊書籍。同社は渋谷区道玄坂の複合施設内にあり、私(←発行人)もお邪魔したことがあるのですが、加藤さんの小誌今号への寄稿作は、その複合施設での日常生活を垣間見させてくれるエッセイです。より具体的には、PRONTOとアイスコーヒーにまつわる話。しかし「アイスコーヒーを注文する」という行為を題材に、こんなにも諸々の考察を拡げてしまう筆者って...ご自身は作中で自分のことを〝パラッパラッパー〟などと称していますが、それは、ご謙遜。


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〝事務所が入っているビルは、テナント施設の営業開始が11時だ。そのため、自分は8時頃から働いているが、11時にならなければ事務所以外のフロアには入れない〟とのことでして、「自分」さんは毎朝〝同ビル内で唯一朝から働いていて、かつ喫煙を許容してくれるPRONTOの世話になっている〟のだそうです。喫煙...渋谷はかつて(2010年頃?)、ハチ公前が喫煙場所に指定されていまして、その頃私は禁煙パッチのタイアップ広告の取材で某禁煙団体の代表を取材したことがありまして、そのとき「渋谷はもうハチ公前くらいしか煙草吸えないんですよ」と言ったら「それはハチ公が可哀想だ」と言い返されて...まあ、それはともかく、喫煙者にはいよいよ肩身が狭い昨今ですなぁ。
作中で描かれているのは、毎日アイスコーヒーを注文する「自分」さんと、対応してくれる店員さんとの当意即妙な心理分析(+妄想も)、とでも表現すれば良いのかな。ここで説明をするよりも、↓の引用箇所を読んでいただければ、「自分」さんの繊細さが伝わってくると思いますよ。ぜひ小誌を手にとって、作品全文もお楽しみください。


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ウィッチンケア第16号(Witchenkare VOL.16) 発行日:2026年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税) 
ISBN:978-4-8-6538-180-1 C0095 ¥2000E

 それで一つ、困ったことになっていて、毎日「アイスコーヒー、レギュラー、コーツーケーアイシー」と喋っていたものだからか、少なくともここ3年ほど、注文カウンターに着いた瞬間にアイスコーヒーがレジ打ちされる、「アイスコーヒーですね」と食い気味に確認される、注文する前から奥のスタッフがアイスコーヒー作り始める、といった有様で、スタッフ連中には何の悪気もないのは分かっているのではあるが、ほかのドリンクを求めるのが憚られる状況になっているのだ。なので自分は、「はい」だか「ありがとうございます」だかなんかを言うのみなのである。無論、消費者として、心をパンクにして「ウィンナーコーヒーが良いと思っていた。今すぐに直してくれたまへ」などと命じることが道理なのはなんとなく解しながらも、自分は肝の据わらないパラッパなので、だらしない笑みを浮かべてアイスコーヒーを受け入れる。氷点下の雨氷の朝でも、だ。しかし、スタッフ連中は〝先回りして客の要求に応えるデキる若者たち(しかも、とても気の良い)〞であることは間違いなく、となれば、真逆な性質のおっさんのことなど理解し得ないに違いないので、ブルブル震えてアイスコーヒーを取る自分を見て、「こんな寒いのにアイスコーヒーばかり飲んで馬鹿なんじゃないか知らん」「ほかのメニューの文字が読めないのだろうか」「冷えて死ぬんじゃないか」などと心配されているようでまた恥ずかしい。


~ウィッチンケア第16号掲載〈俺の生活の柄〉より引用~


加藤一陽さん小誌バックナンバー掲載作品:リトルトリップ〉(第13号)/〈俺ライヴズマター、ちょっとしたパレーシア〉(第14号)/〈俺のヰタ・セクスアリス〉(第15号)

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Vol.16 Coming! 20260401

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