2026/05/11

vol.16寄稿者&作品紹介22 渡辺祐真さん

 前号(第15号)には〈無益評論家として生きていく〉という、書評家としてのご自身のスタンスについての一篇をご寄稿くださったスケザネさん、こと渡辺祐真さん。今回のウィッチンケア第16号への寄稿作は〈まさか空海にハマるとは思わなかった〉...じつは渡辺さん、昨日(5月10日)のXで〝『中央公論』6月号の特集「令和に読み直す司馬遼太郎」に寄稿しました!/テーマは、『空海の風景』!〟との告知。さらに、続けて〝ちょうど空海に関する本を出すので、本当に嬉しい仕事でした。(詳細はそろそろ出るはず)〟とも。じつは筆者と今号への原稿打ち合わせ段階で「空海に関する本を出す」とのお話は少しだけ伺っておりました。ある意味、今後さらに情報解禁されるであろう新しいご著書の、映画で言うところのtrailer? いや、きっと膨大な情報量の1冊になりそうなので、小誌寄稿作はそれよりもさらにサワリ的なteaser作品なのだと思います。そうだ、本作の冒頭近くにも〝空海や仏教に関連した本は百冊以上読み、高野山と海岸寺(香川県にある空海ゆかりの寺)に一週間ほど泊まり込んだ。現在それらの成果を生かして、空海に関する著書も準備中だ〟との一文がありましたね!


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空海。弘法も筆の誤りの、弘法大師様。NHKの大河ドラマでもまだブルーオーシャンな奈良〜平安初期時代のお方で、そんないにしえの偉人にスケザネさんはなぜ〝取り憑かれたのか〟? 筆者は、まず空海を〝「日本最古の哲学者」〟と捉え、そのめざましい功績として「即身成仏」という思想=〝この世に存在するあらゆる生命を救うこと〟に言及。そのうえで、空海の波乱万丈な人生について、独自の語り口で紐解いてくださるのですが...本作のおもしろさの核は、歴史の教科書などからでは伝わらない空海の人としての魅力を、スケザネさん語法で、スーパーヒーローのように描いていること、と私(←発行人)は感じました。



《熱意と才能と運に恵まれた空海の生涯》という小見出しを立てた章で、筆者は〝空海はすべて満点だ〟と述べています。満点、とは? 満点だと、なにが起きる? この、読書家ならではの満点評価については、ぜひ小誌を手にとってお確かめください。また作品後半では、空海とセットで学校の教科書に登場した、最澄についても触れられています。この2人の関係性などまったく忘れ果てていた私...あらためて勉強になりました。そしてそう遠くなく上梓されるであろう渡辺さんの新刊、ぜひ読んで、さらなる精進を思うのでありました。


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ウィッチンケア第16号(Witchenkare VOL.16) 発行日:2026年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税) 
ISBN:978-4-8-6538-180-1 C0095 ¥2000E

 まず、最古の哲学者という点である。あまり知られていないが、空海は膨大な著作を残している。筑摩書房から刊行されている『弘法大師空海全集』という著作集は全八巻で、ページ数は五千を超える(現代語訳、注釈など含む)。しかも仏教から、漢詩の実作、漢文や漢詩の執筆術、日本初の辞書など、ジャンルは広範。中国思想やインド思想の養分もたっぷりと吸収しており、極めて論理的に記述されている。だから語弊を承知ながら、「日本最古の哲学者」だと思う。
 最古とはどういうことか。空海は西暦774年に生まれ、835年に入滅した。つまり奈良時代から平安時代の初頭を生きた。紫式部や清少納言より百年程度、在原業平や小野小町より数十年は年長だ。同時代には初代征夷大将軍の坂上田村麻呂、平安京の遷都を行った桓武天皇らがおり、『万葉集』や『古事記』が成立した頃でもある。彼に先立つのは聖徳太子くらいだろうか。だがその仕事量に鑑みれば、空海が最古といってもいいと思う。

~ウィッチンケア第16号掲載〈まさか空海にハマるとは思わなかった〉より引用~

渡辺祐真さん小誌バックナンバー掲載作品:無益評論家として生きていく〉(第15号)

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Vol.16 Coming! 20260401

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