写真家としての個人の活動だけでなく、2023年からは鈴木萌さんと「Three Books」というインディペンデント出版レーベルも運営している、ウィッチンケア第5号からの寄稿者・吉田亮人さん。「Three」を冠した名前なのは「物語」「表現者」「読者」──〝写真集にはそこに、個人的、社会的な「物語」があり、それを真摯に語る「表現者」がいて、それと様々な視点を持って向き合う「読者」の3つの存在があって初めて動き出すもの〟──との思いを込めて、とのこと。そんな吉田さんの今号(第16号)への寄稿作は、同レーベルの最新刊として発行された韓国人写真・キム・ウンジュさんの写真集「癒えない光」の制作にまつわる一篇です。


ウィッチンケア第16号(Witchenkare VOL.16) 発行日:2026年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税)
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:272ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN:978-4-8-6538-180-1 C0095 ¥2000E
そんな彼女が15年もの長期にわたり取材してきたのが「5・18光州民主化運動」(光州事件)である。日本ではソン・ガンホ主演の映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」で知ったという人も多いだろう。1980年5月18日に光州市で発生した軍事政権による民主化運動への弾圧・虐殺事件である。
約200名弱の市民が軍の暴力によって虐殺されたと言われるこの事件は、民主主義国家となった現在の韓国を語る上で避けては通れない、韓国現代史のトラウマ的出来事として記憶されている(2024年12月、尹大統領が戒厳令を発令した際に、多くの人がこの事件を思い出したという)。事件から45年が経過した今も、当事者たちは深い傷を抱えながら生きている。
ウンジュさんは15年という時間をかけて、被害者や遺族に一人ずつコンタクトを取り、インタビューを重ね、事件に遭遇した実際の場所に立ってもらい、写真を撮るということを続けてきた。
その数は87名にのぼる。15年の間に高齢化が進み、残念ながら亡くなった方も複数いるようだ。しかし彼女の地道な活動により、彼らの声は貴重な証言として残された。
約200名弱の市民が軍の暴力によって虐殺されたと言われるこの事件は、民主主義国家となった現在の韓国を語る上で避けては通れない、韓国現代史のトラウマ的出来事として記憶されている(2024年12月、尹大統領が戒厳令を発令した際に、多くの人がこの事件を思い出したという)。事件から45年が経過した今も、当事者たちは深い傷を抱えながら生きている。
ウンジュさんは15年という時間をかけて、被害者や遺族に一人ずつコンタクトを取り、インタビューを重ね、事件に遭遇した実際の場所に立ってもらい、写真を撮るということを続けてきた。
その数は87名にのぼる。15年の間に高齢化が進み、残念ながら亡くなった方も複数いるようだ。しかし彼女の地道な活動により、彼らの声は貴重な証言として残された。
~ウィッチンケア第16号掲載〈「癒えない光」を訪ねて〉より引用~
吉田亮人さん小誌バックナンバー掲載作品:〈始まりの旅〉(第5号&《note版ウィッチンケア文庫》)/〈写真で食っていくということ〉(第6号)/〈写真家の存在〉(第7号)/〈写真集を作ること〉(第8号)/〈荒木さんのこと〉(第9号)/〈カメラと眼〉(第10号)/〈対象〉(第11号)/〈撮ることも書くことも〉(第12号)/〈写真集をつくる〉(第13号)〈そこに立つ〉(第14号)/〈小さくて、美しい〉(第15号)
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