2013/05/29

vol.4寄稿者&作品紹介29 吉永嘉明さん

「貴女は僕の永遠の永遠の永遠の……という一文、一体私は永遠の何だろうとドキドキしてしまいます。」

小誌第2号に「ジオイド」、第3号には「ブルー・ヘヴン」という、自伝的ではあるものの真偽のほどがわからない小説を寄稿してくれた吉永嘉明さん。今号では明らかに作風が変化し、本人曰く「子どもの頃に多く読んで影響を受けた、古いユーモア小説のような作品を」...とのことでした。ちなみに本作品のお原稿、私は手書きのものを受け取りました。それも原稿用紙ではなく、リングノート20枚くらいに縦書きした現物を、喫茶店でビリッと破って...ほんとうは、草原にいくまえのモンモンとした金吾郎さんの描写がさらにたっぷりあったのですが、残念ながらその部分は今回掲載できず。ぜひ、吉永さんには、Web上ででも完全版を発表してもらいたいです! せっかく新しいマックも買ったことですし、ぜひぜひネット降臨してください〜。

...しかし、作風は変われども、吉永さんの恋愛に対する純粋な感情は、以前の作品と変わらず爆発しているようでして...たとえば「つまり今までのオレはあまりに無神経で妄想家で感傷過剰で、よって現実のリアル、女心がわかってなかったってことだ。たぶんいままでの体験はみな恋愛未満で、オレは初恋さえまだなのだ」と主人公の立派な大人に言わせてしまうなんて...ある意味でこれは並大抵じゃない力業のように、思えてしまったり(少なくとも私がこんな“投げ”を打ったら、脱臼か椎間板ヘルニアだなw)。そして、意中の女性に思いの丈を綴って玉砕だなんて...「人はパンのみにて生きる。そして三度の飯より飯が好き」なんて自作内に書いてしまう私からすると、羨ましいです! さてそんな吉永さんですが、お会いしたさいには「ものすご〜く長い書き下ろしを執筆中」と仰っていったのが気になります。いったいいつ、どんなかたちで、我々の目に届くのか? なかなか完成しない、と創作の苦しさを語っていた吉永さんの新作を読める日、ほんとうに待ち遠しいです!

 郷愁に浸る金吾郎。しかしまだ気付いていない。
(いや待てよ。そういえば3人とも、付き合うきっかけは向こうがつけてきて、オレはなんとなく従属的に反応したんじゃなかったっけ。そして最後は3人が3人とも、いわばポイ捨て。そんなの本当の恋と言えるのか。それにそれに、虞美人草さんとはやってないんだよな。セックスしてないんだよな。そんなのが恋なのか。どうなんだ、どうなんだ??? 
 いや、あれは恋じゃなかったんだ。きっとそうだ。いわば犬と同じなんだ。汚れた犬を飼うようなもんなんだ。そして飽きたらポイ捨てだ。しかしそうなると、最後の相手、千代子とはどうだったんだ。これはちょっと、とても重大なことだぞ。うーむ、むむむむむ。あっ、思い出したぞ。あのはるけき夏の日。シネヴィヴァン六本木でレイトショー観よう、ってんで千代子と約束した日、当日、あいつはおかあさんを連れてきたじゃないか。当時はそれがどういう意味かわからずにただ映画見てメシ食って帰ったんだっけ。そしてオレがプロポーズしたんじゃないか。やっぱり、過去三回と同じパターンだ。するとすると……ああ、恐ろしい。ブルブルブル、言いたくない。でも言わぬ訳にはいかぬ。オレはこの先、千代子に、千代子にポイ捨てされるのだぁ! ひぃー、大変だぁ。どうしたらいいんだ。ひぃー。神様! 神様! 負けちゃだめだ! 負けちゃだめだ!)


ウィッチンケア第4号「タンポポの群生」(P170〜P177)より引用
http://yoichijerry.tumblr.com/post/46806261294/4-witchenkare-vol-4-4

Vol.8 Coming! 20170401

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