2013/05/25

vol.4寄稿者&作品紹介22 開発チエさん

「村上隆による美術業界批判やら、色々抜け落ちたイシューもありますが、今回はこれまで。」

小誌第4号に「クール・ジャパンの裏側」を寄稿してくれた開発チエさん。現在、ご自身のTwitterのプロフィール欄には「休眠中の美術批評家 2匹のパピヨンと隠遁生活ちう」と記していますが、某SNSでは福井での暮らしぶりとともに、日々のニュースetc.についての鋭いコメントも少なくなく...。それにしても、掲載作内で語られている20世紀末頃あたりの開発さんの日常は、同時代を東京で生きていたはずの私にはまばゆいばかりでして、いったいあのころのオレはどこでなにしてたんだっけ? と思わずHD内を検索...mmm、それなりに社会と繋がった仕事もこなしていたんですが、なんか、クールじゃない生活してたなぁ。エヴァンゲリオンについては、私、「ぱらねも」という草の根BBSを始めるまではまったく知りませんで、そのあまりの世間への疎さに発憤してテレビ東京での深夜再放送をビデオに録画&一気に見て、さらに混迷を深めたという(その自身の面食らいっぷりにさらに奮起して、いわゆるエヴァ本も買ってみたりw)。

じつは開発さん、今回の掲載作品執筆のまえに、もうひとつ「ガチ」なテーマに挑み膨大な調査/検証を...しかしながらそのお原稿(今作にも若干リンクしていた)は、ほぼ完成の段となって「諸般の事情により今回は発表を見合わせることにした」と伺いました。まだ寒かった頃、開発さんと頻繁にメールのやりとりをしまして、そのプロセスでずいぶん苦労されている様子が伝わってきただけに、残念。しかしいまはその「諸般」について立ち入った事柄を私が文字にすることも憚られ...いつの日か諸々がクリアになり、その「ガチ」作品がよりver.アップされ世の中に問われることを祈念致します。...そしてエヴァなんですが、私最初はちょっと綾波レイが気になりましたが、いやいや、こりゃめんどくさいと即撤退。自分は惣流・アスカ・ラングレーが好きです、でいいやと思ったのでした。どのくらい好き? って、まあ、コンビニでアスカのライターを買ったことがあるくらい、ちょっちね。

 楠見さんの友人は、メジャーなアニメ雑誌の編集者とかで(私はアニメ雑誌を開いたこともありません)その時点でのアニメ業界の裏話をう〜んと聞かされました。お話の内容はあまり覚えていないのですが、私が執筆していた、今はなき「スタジオボイス」で「エヴァンゲリオン」特集をやったあとで、その表紙が碇シンジの顔をぶった切ったデザインだったのですが、アニメ編集者の方々は、「あれだけ画像チェックの厳しいガイナックスがよく許したものだ。さすがボイスだ!」と興奮して言っていて。彼らは「もののけ姫」を「退け(のけ)姫」と呼んでいたことだけが印象に残ってます。宮崎駿は当時から若手のアニメーターにはウザい存在だったらしい(笑)。
 しかし、なんで「スタジオボイス」がエヴァ特集を組んだかと言えば、メジャーデビュー当時の東浩紀がやかましく「エヴァ、エヴァ」と叫んでいて、某編集者の自宅で、編集者諸氏が、東が持ってきたテレビ放映版のビデオを一気に見る(1日がかり!)という無謀な集まりを開き、それで「やってみっぺ」となった次第。その号はものすごく売れたらしく。私も興味本位でエヴァの映画に行ってみましたが、観客のほとんどがそのボイスを持ってたのでドン引きしました。このボイスの企画で、東浩紀はまんまと第一のエヴァンゲリオン専門論客となりました。


ウィッチンケア第4号「クール・ジャパンの裏側」(P132〜P137)より引用
http://yoichijerry.tumblr.com/post/46806261294/4-witchenkare-vol-4-4

Vol.14 Coming! 20240401

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