2013/05/03

vol.4寄稿者&作品紹介03 滝口ミラさん

「少しでもたくさんの人を幸せにして、いつまでも覚えていてもらえる人になりたいと思った。」

アイドリング!!! の卒業生、お笑いや芝居でも才能を開花させる滝口ミラさん。寄稿作「死にさえしなけりゃ大丈夫」の原稿を受け取ったときは正直、ちょっと衝撃でした。えっ、あの、事務所でご挨拶したときに可愛らしい笑顔を見せていた女の子(寄稿者を「女の子」呼ばわりはどうよ、とも思いますが、だって女の子! としか言いようのないミニスカート姿でしたし〜)が、ここまでがっちりした作品を書いてくださったのかと。...決して“軽いノリ”で寄稿依頼したわけではないのですが、それでも「選ばれて人に見られる仕事」をする方の底力に、ぐっときてしまいまして。この作品を小誌に掲載できたこと、いまは発行人として嬉しく思っています。

滝口さんのファンは、本作をどう読んだのだろう? いままで彼女のことを知らなかった人は、アイドルの「ネガティヴなぶっちゃけ」だと捉えて同情したのかな? 私は、滝口さんがさらに「先に進む」ために、得意な「文章による芸」も披露してみたのだと思っています。そもそも今回「書いてみませんか?」という話が持ち上がったのも、彼女が舞台の創作台本や新聞での映画評を、以前より執筆していたからですし。歌って踊れて、書けるアイドル! 私は遠くない未来に、滝口さんの書いた物語が本やドラマや映画になればいいな、と願っています。そして、同じものを書く人間として、私のなかにも「いつまでも覚えていてもらえる人になりたい」はあるよ、とも。

 私もお金はないに等しかった。なるべく実家通いがいいのだが、地方からの上京組の私はそうもいかなかった。私は六畳一間の部屋に二人暮らしをし、毎日もやしを食べて生活をし、雑草根性を養った。
 この貧乏生活で分かったことがある。アイドルでいたいなら、食べ物と美容代だけはケチってはいけないということだ。私はなんとか食費節約をするために、安物の麺類やパン、ご飯などの炭水化物ばかり食べて、激太りという大惨事を起こしてしまった。思春期で食べ盛りだったのも重なり、十キロ以上、太ってしまった。不摂生な生活で同時に肌荒れを起こし、ハイビジョンテレビに耐えれないような容姿になり、体調不良で倒れて仕事に穴を開けたことも度々あった。芸人さんの場合、貧乏生活はネタになるが、アイドルは元気が、命。悲壮感を悟られてはいけない。食べ物は一番気を使い、野菜中心の生活でしっかり過ごさなければいけないことを学んだ。
 美容院のお金もきちんと出すべきだった。実績があり自分に合った美容師さんにカットとカラーリングしてもらわないと、少しでも安いところでやってもらうと、大失敗してしまいます。
 そのぶん、節約すべきなのは私服のお金。衣装が用意されていない場合を除いて、一番コストダウンできるところだ。ジーパン一枚、Tシャツ何枚かあれば、充分。おしゃれしたい年頃ですが、そこは衣装でぐっと我慢するのだ。


ウィッチンケア第4号「死にさえしなけりゃ大丈夫」(P018〜P025)より引用
http://yoichijerry.tumblr.com/post/46806261294/4-witchenkare-vol-4-4

Vol.14 Coming! 20240401

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