今回書いたもののなかでキー打ちつつホントに泣きそうになったのは<年改まって渋谷のHMVが閉店して>あたりでした。いや特別HMVに思い入れがあるわけではないんですがONE-OH-NINE地下の頃から定期的にチェック(←だけのはずがけっこう高いの掴まされるし/CD1枚4000円前後...)していたんでその後センター街に移ってさらにあちこちにHMV○○(店舗)ができたんだけどじつはどこも同じような品揃えで、でっ、渋谷の井の頭通り側からのエントランス付近はハマサキ某とかオオツカ某とか(←違うかも/よく知らない...)の宣材がどでかく飾られるようになって「あの、貴店はそういうのから目をそむけたい人向けの店では」と言ってやりたい気分になりじょじょに足が遠のいてそれでも渋谷を通ればなるべく覗いていたんだけど最後はがらんとしたフロア(私の好みの音楽は上の階に追いやられていた)でアイフォーンでアマゾンとの価格比較していたような(すいません)。それで、ほどなく閉店のニュース。
最近、本屋さんが閉店するニュースをよく聞くようになり心配です。書物とレコードじゃ歴史の厚み(や裾野)が違うので同じだとは思いませんが、しかし音楽好きが1990〜2010年頃に経験した状況となんだか似てる。ウィッチンケアは2010年創刊でありがたいことに第1号は直取引と「地方・小出版流通センター」を介してで都内の大型書店にも置いてもらえたのですが(10店舗ほど)、そのうちの6店舗がすでになく、来月には新たにもう1店舗が、また。
作内に<アップル&アマゾン。/世紀が改まった頃から、このふたつが僕の生活を最適化してくれている。>と語る人間を登場させました。不肖私、ネット歴20年。「いまはこれ」ってものがずいぶん移り変わったような気がします(「神戸連続児童殺傷事件」はまだ2ちゃんもなく「あやしいわーるど」でリアルタイムに読んでた)。いやまあもちろん全体的には進化底上げされているんだろうしそれでいくしかないんでしょうが。
そもそも〝最適化〟って言葉が怪しい。そして言葉そのものよりもまずそんな比較的最近一般的にも使われるようなってきた概念(?)に自身の生活をすっぽり納められちゃうそんなに若いとも思えない人間って...あっ、自分で「書き切った」ものに上書きでツッコむ虚しさ。どうぞみなさま、小誌を手にとって拙作を読み、忌憚ない感想をお聞かせください!
店を出て女の背中を送り、一人で駅前の繁華街を歩いた。発光ダイオードが冷たく煌めいている。この季節になると、いまでもふと飯島愛のことを思い出したりする。
NHKのニュースで唐突に顔写真が映って、驚きはした。でも、なぜとは全然思わなくて、伝えられている内容を存外すんなり受け止めていた記憶が残っている。賢いから先の世界がうんざりでフォールアウトしちゃったのかな……しばらくテレビを眺めていると指し棒を手にした半井小絵が天気予報を始めた。映像を消して近くに食事に出ると、セルリアンタワー周辺までごった返していた。
ウィッチンケア第8号「いくつかの嫌なこと」(P094〜P100)より引用
https://goo.gl/kzPJpT
多田洋一(発行人)小誌バックナンバー掲載作品
「チャイムは誰が」(第1号)/「まぶちさん」(第2号)/「きれいごとで語るのは」(第3号)/「危険な水面」(第4号)/「萌とピリオド」(第5号)/「幻アルバム」(第6号)/「午後四時の過ごしかた」(第7号)
http://amzn.to/1BeVT7Y
Vol.14 Coming! 20240401
- yoichijerry
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