2014/05/25

vol.5寄稿者&作品紹介33 岩崎眞美子さん

つい最近はポール・マッカートニーの公園中止なんてことがありましたが(私の財布にはいまも5/18のチケットが入っていますが)、岩崎眞美子さんと私は1996年に「The Blue Nileの来日公演中止くらった」仲間でして、あれは残念だったなぁ。The Blue Nileについては、じつは昨年さらに高橋宏文さんとも「Paul Buchananの来日公演中止くらった」仲間になりまして...同じポールでも2分の1の確率で観られるマッカートニーさんは、優等生。

和ごよみで楽しむ四季暮らし」等の著書がある岩崎さんは、音楽/映画をはじめ幅広い分野でライターとして活躍しています。自身の金縛りや幽体離脱体験をもとに、身体と意識のリズムを「波」になぞらえて考察した寄稿作「波のリズム〜心地よい死へのレッスン〜」は...これを読めば死ぬことが恐くなくなる!?

しかし岩崎さんがそんなに何度も金縛りを体験していただなんて...しかもうまく波に乗って<エクスタシーと言っても良いような感覚>を得る!? 私は根っからの幸せ者なのか、縛られ始めるとなんとなく「おっ、オレはいま夢を見てるんだな、これは夢だ」という意識が夢に混ざり始めて「どうぞ煮るなり焼くなりご自由に」と夢の進行に委ねてしまうことが多く(幽体離脱ならぬ幽体放置プレイ)、しかも目覚めるとだいたい忘れていて、頭のなかはすでに朝ごはんのことで一杯という。。。

作品の最後あたりの<睡眠を、日々訪れる短い「死」のレッスンのようなものと考えれば>という一節が、なんとも後髪を引きます。...そうか、今日からきちんと机を上を片付けて寝よう。そして思い出したのは、過去に数回経験した全身麻酔(ここ数年でも3回...)のこと。なんというか、強制終了で一時的に“殺されちゃう”わけでして、ほぼ無事帰還できると思いながら同意書にサインして“逝く”わけですが(「麻酔入れます」と言われるとがんばっても数秒でホワイトアウト)、でも心のどこかに「もう帰ってこないかもしれないし」というワクワク感が宿っているのは、私の性格の問題!? さらに麻酔の切れた病室で、痛みというバッドトリップに呼び起こされると、「生きてやがんの」みたいな、ほんのり残念な「生の充実感」も味わえたりして...不謹慎。

 以来、私は金縛りが来るのを密かに楽しみにするようになった。金縛りの「波」は1、2回、多いときなら、5、6回は連続して起こる。その波と波の合間のタイミングで体を動かすと、奇妙な身体感覚が味わえるのだ。また、苦しいものと決めつけていた金縛りも、「波」が来たときに恐れて避けようとせずに、体をリラックスさせて受け入れると、実に心地良い、エクスタシーと言っても良いような感覚を得ることができるのだ。自分と世界を分ける境界線がなくなり、心身の感受性が無限大に敏感に、広がっていく感じ……。
 この感覚は何なのか。大学時代、当時流行していたジョン・C・リリーやティモシー・リアリーなどサイケデリクスや変性意識の本、脳科学本などを読みあさったが、そこに書いてあることと金縛り時の自分の脳で起こっていることは同じなのではないかと直感した。その後、旅行先のオランダで、当時はまだ違法ではなかったマジックマッシュルームも食べてみた。その時一番に思ったのは「ああ、私はこれ、キノコ食べなくても自分の体だけでできる!」であった。
 何を突拍子もないことを言ってるんだか。と自分でも思うが、少し整理したい。例えば睡眠時の脳は、いわば「現実はこうである」というタガが外れた状態だ。当然、その脳が見せる夢も奇想天外な内容になることが多いし、それをコントロールもできない(夢を夢と自覚する「明晰夢」ではそれも能)。しかし入眠時の脳は、タガはすでに外れているにもかかわらず、かろうじて意識でそれをコントロールできる状態なのである。
 ドラッグ体験では「バッドトリップ」と「グッドトリップ」があるというが、金縛りもそれと同じだ。つまり脳のタガがはずれて、肉体との連携がうまくいかなくなったとき「怖い!」「苦しい!」と思えばそのモードが拡張されますます苦しくなる(金縛り)。しかしかろうじて残る意識を自分でうまくコントロールし、リラックスしてその波を受け入れれば、非常に心地良く多幸感に満ちた状態に自分を持っていくことが可能なのだ。


ウィッチンケア第5号「波のリズム〜心地よい死へのレッスン〜」(P224〜P228)より引用
http://yoichijerry.tumblr.com/post/80146586204/witchenkare-5-2014-4-1

Vol.9 Coming! 20180401

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