2014/05/18

vol.5寄稿者&作品紹介18 播磨秀史さん

シンコーミュージックの編集者・播磨秀史さんとはずいぶんむかし、パシフィコ横浜でナイン・インチ・ネイルズを観た(調べたら2000年「Fragility」ツアー)帰りに下北沢でバーボンを飲んだことがあったのですが、その後FBで再会し、さらにご縁が巡り巡って今号へのご寄稿に繋がりました。

もうひとつ、これも「縁の巡り」だったのか、小誌正式発行(2014.4.1)の前日(3.31)には播磨さん責任編集の「下北沢ものがたり」という書籍が世に出まして、この本で私は「下北沢の変遷」という章と曽我部恵一さんのインタビューを担当。また仲俣暁生さんと小川たまかさんも同書に関わっておりまして...これらはすべて、トレント・レズナーが「The Fragile」をリリースしたことに起因...ってバカなこと書いていますが、しかしもし同アルバムがもっとサクッとした内容で1997~8年に発売されていたら私はたぶん観にいってないし、家が近くということで播磨さんと飲みにいったりもしてなくって...そういう「未来」もありえていたんだなぁ、と。

「ハリーの災難」は美馬亜貴子さんのご紹介でも触れた「クロスビート」の、人気コーナ(播磨さんの編集後記)。同誌の愛読者だった私は、エクステンデッド・エディットver.を掲載できまして嬉しい限りですが、これもアルフレッド・ヒッチコックが「The Trouble with Harry」を製作しなければ。。。たんなる読者だった頃、私は「なんでハリーさんには毎月毎月、災難が降りかかるのだろう」と思っていました。

今回、寄稿者と編集者という立場になり、ちがうかも、と。播磨さんの絶妙な姿勢/語り口によって、日常の何気ないできごともスリリングに描写されている!? 「巻き込まれている」風に見えて、じつはしっかりマイペースなのかもしれません。あっ、曽我部さんをインタビューしたさい、質問はおもに私でしたが、播磨さんは脇から畳み掛けて問うこともなく、相手が喋りやすい環境を整えるように、笑顔でときどき控えめに要点確認する感じ。この「スタンスの極意」が、“災難”すら魅力的に読ませてしまう、播磨さんの筆力の源なのだと思いました!

 その扉を開けた瞬間、部屋中に陽光が降り注いでいて、ちょっとクラクラした。3階角部屋の305号室は1階の部屋より窓も2ヵ所多く、朝から電気を点けなくてはならない103号室からすると、まるでパラダイスのように見えたくらいだ。窓を開ければ、そよそよと風が部屋を通り抜けていく。305は、103の隣の105(このマンションに〈〜4号室〉はない)と同じ互い違いの形で、押し入れやコンセント、ガスなどの位置は103と違うが、同じ建物の同じ間取りだし、特に大きく変わらないだろう。数分で僕は、大家さんと不動産屋さんを前に、「引っ越します!」と宣言していたのだった。
 そうして、恒例行事のフジロックの前に何とかかんとか引っ越しを済ませたのだが、僕の考えはだいぶ甘かったことがすぐに判明する。ほとんど同じように使えるだろうと思った部屋は、実はあちこちで大きな違いがあることが発覚。シンクの真横にある冷蔵庫スペースは数センチ足らず、冷蔵庫は買い換えざるをえなくなった。まあそもそも、友達からもらった3ドア冷蔵庫は、一人暮らしにはぜいたくなサイズだったのだが。前はテレビの正面に置けたソファも結構ズラして置かなければならなくなり、それまでかなり良好だったサラウンド環境も微妙な感じになってしまった。なぜかわからないが物干し竿の位置が物凄く高く、178センチの僕でも外して拭くのに背伸びが必要だ。しかし何よりも最大の問題は、台所の梁である。建蔽率の関係かどうかわからないが、ガステーブル用スペースの梁が内側に傾いていて、普通のガステーブルは上部が引っ掛かって置けないことが判明したのだ。

 色々と調べたところ、基本的に家庭用の二口ガステーブル(グリル付き)のサイズは、左右幅56センチか59センチの2種類しか作られていない。スペースの土台はその幅があるのだが、傾いた梁が覆いかぶさるのでスペース上部では56センチを切る幅しかないため、どちらのサイズも設置出来なかったのだ。選択肢は、IHのクッキング・ヒーターを買うか(高さが低いので、幅56センチでも梁に当たらず設置できる)、一口のコンロ(ギリギリ2台置ける)を導入するしかない。IHは火力に不安があったが、友達から大丈夫! という声があったので決断した。
 しかし、本チャンのIHは200ワットが必要で、電気工事をしなければならないことがわかった。賃貸でそれはたぶん出来ないし、100ワットで使えるものを入れることにした。でもやはりどうにもパワー不足で、やかんでお湯を沸かしても「シュンシュン!」と猛り狂うところまで行ってくれない。そのせいにするわけじゃないが、やる気がまるで盛り上がらず、せっかく買ったのにまるで料理はしていないのだ。しかも、調べてみたら、うちの鍋やフライパンは全てIHに対応していないとわかったのだ。何てこった!


ウィッチンケア第5号「ハリーの災難:住宅編」(P0130〜P134)より引用
http://yoichijerry.tumblr.com/post/80146586204/witchenkare-5-2014-4-1

Vol.8 Coming! 20170401

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