まずは、この歳になってあらためて「ど根性ガエル」について考えるきっかけをくださったかとうちあきさんに、深く御礼申し上げたく存じます。そうか、ピョン吉は<ひろしがゴリライモと石神井公園で決闘しているさいに押し潰されたが根性で平面ガエルとして生き抜いた>という設定なのか...夕方の再放送アニメでずいぶん見た記憶があるけど、そもそもなんで? は一度も考えたことがなかった(でもそんなこと考え出したら、なんで喋るんだ、とか/きっと根性で喋るんだw...)。
幼稚園から小学校2年まで、仙台に住んでいました。もう記憶も断片的ですが、家の近くに田んぼがあって、バス通りを挟んだ向かいには小さな池があって、春になるとものすごい数のおたまじゃくしがカエルになって池まで移動して、大虐殺としか言いようのない光景...アスファルトにはピョン吉になれなかった屍だらけ〜見ているあいだにも「パン、パン」と轢かれて弾ける音がする、という。最近は生活していてカエルを見かけることなどめったにありませんが、1950年生まれの吉沢やすみさんがピョン吉を生み出した背景には、カエルだらけだった日本にモータリゼーションの波が押し寄せたという歴史的経緯!?...。
かとうさんの寄稿作「カエル爆弾」に登場する、生き物との記憶。第3号掲載作「台所まわりのこと」にもいろいろ出てきまして、前号掲載の「コンロ」では男子が現れてほっとしたのですが、ああ、またもや蟻、蝉、金魚、ミドリガメ、そしてカエル...えっ、文中にはハムスターや土鳩も登場しますが、それらににまつわる「なかったこと」にしたい記憶も、あるのかな!?
私に関して言えば、魚類/甲殻類/昆虫類/両生類/爬虫類あたりは、その形状から怪獣退治のような気持ちで殺生してきたような気がします。しかし鳥類になると、個人的にはもうダメかも。高校生の頃「村さ来」にスズメの串焼きがあって、こんなもん食べなくても人は生きていける、と思った。
これで果たして、カエル爆弾のかわりになるだろうか。不安である。
けれど、亀。
亀ならどうだ。
ミドリガメをすくう亀すくいは300円と高いので、それしかできなくなってしまい問題である。しかもすくえたひとしかもらえないし、ちっともすくえないようにできているので大問題だ。縁日の日、最初から終わりまで屋台にはりつき見ていても、亀をもらえたひとはほとんどいなかった。
でも、4 年生だった夏の途中。新顔のお兄さんが出店していたのは違ったのだ。6人に1人は成功している。
そこで3 0 0 円を投入すると、子ども用にさらに丈夫なポイをくれたのか3匹もすくえてしまい、えっへんわたしは、得意げに持ち帰った。
ミドリガメはかわいい。実はどんどん大きくなり場所をとって苦労するらしいのだが、大きく育てられるということは飼いやすいってことでもあるのだろう。
かわいいかわいい。最初は外に出してずっと眺めていたのだけれど、すぐに飽きて水槽の掃除もせずにほっておいたら、一面緑の藻だらけになってしまった。亀たちもより一層ミドリミドリして、いやな臭いがする。
甲羅干しをするといいかもしれない。
(いいことをしている)、満足した心持ちでわたしは水槽をベランダに出したのだが、そのまますっかり忘れてしまった。
真夏である。5日後、恐る恐る見ると、案の定。水は干上がり、亀たちは死んでいた。苦しかったのか、みんな首を長く出して。しかもなんということだろう。彼らは腐っているようで、その亡骸にたくさんのコバエが湧いているではないか。
あんまりに恐ろしいのでほっておいたら、半月後、彼らはすっかり乾いてミイラみたいな顔になった。まだ恐ろしいので、さらにほっておいたら、ついに甲羅だけになったので、ほっとしてお墓を掘って甲羅を3つ埋めたのだった。
ウィッチンケア第5号「カエル爆弾」(P096〜P103)より引用
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Vol.14 Coming! 20240401
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