2025/06/01

ウィッチンケア第15号のまとめ

 

画像
ウィッチンケア第15号(Witchenkare VOL.15) 
発行日:2025年4月1日 
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号) 
A5 判:276ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN::978-4-86538-173-3  C0095 ¥2000E

【寄稿者/掲載作品】〜もくじ〜より

008  綿野恵太ロジスティクス・ディストピア
014  藤森陽子だいたい蒸籠で蒸すといい
018  渡辺祐真無益評論家として生きていく
022  木俣冬イケメンという言葉の黄昏に
028  カツセマサヒコ宙を跳ぶ
038  関野らん死者の尊厳
042  木村重樹『いなくなっていない親友』のこと
048  山本アマネいつも読書の途中
052  鶴見済推す気持ちがわかっていない
058  武塙麻衣子ひょうすべ
064  加藤一陽俺のヰタ・セクスアリス
070  朝井麻由美エモーショナル・ドリーム
076  中野純男性の乳首には隠す価値がある
082  早乙女ぐりこ蜘蛛と鬼ババ
088  武田砂鉄クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー
094  内山結愛散歩、あるいはスーパーマーケットとTwitter
098  佐々木敦おそらく実現されることはないであろうわたくしの夢のひとり出版社の、もしも実現したとしてもおそらく実現できることはないであろう、夢の刊行予定リスト
102  オルタナ旧市街氷を踏む
106  清水伸宏給水塔 もしくは、ヒマジン・オール・ザ・ピープル
112  絶対に終電を逃さない女ちょっと疲れただけ
118  長谷川町蔵ミックステープを聴いた朝
124  かとうちあき宇宙人に会った話
128  多田洋一山崎さんの殺人事件
140  星野文月野良犬に月
146  コメカカニ人間
152  小川たまか記録と記憶と証言
158  武田徹いくじなしのむうちゃん!
162  蜂本みさ編み物前線
168  宮崎智之補欠論
174  3月クララここから始まる
178  稲葉将樹下妻〝書店〞物語 1980年代
184  すずめ園幸せにしてあげる
190  荻原魚雷先行不透明
194  仲俣暁生橋本治の書物観
198  トミヤマユキコひとりっ子という生き物の宿命
202  吉田亮人小さくて、美しい
206  野村佑香はじめの一歩
212  久禮亮太フラヌール書店二年目の日々
218  うのつのぶこ生きててくれればそれでいい
222  武藤充チャネラー・足立幸子さんとの出会い
226  ふくだりょうこお薬をお出ししておきますね
230  我妻俊樹スクールドールズ
236  美馬亜貴子生存学未来論
242  久保憲司アーティフィシャル・インテリジェンス
248  谷亜ヒロコ折田さんは自分推し。
252  柳瀬博一日本は東京以外でできている
260  東間嶺(概略)アプデしない生き方のせいで殺されてしまった先生とわたしに関するおおよそ4000字のテキスト。
266  参加者のVOICE
274  バックナンバー紹介


編集/発行:多田洋一
写真:圓井誓太
Art Direction/Design:太田明日香
取次:株式会社JRC(人文・社会科学書流通センター)
印刷/製本:株式会社シナノパブリッシングプレス



★取扱書店一覧(暫時更新中)

★下記を読むと第14号の全体がざっくり見渡せます

★編集後記


【公式SNS】

Facebook
http://www.facebook.com/Witchenkare

(旧Twitter)
https://x.com/Witchenkare

Instagram
https://www.instagram.com/explore/tags/witchenkare/

note

note版ウィッチンケア文庫

Threads
https://www.threads.com/@witchenkare

tumblr
https://yoichijerry.tumblr.com


《2010年4月創刊の文芸創作誌「ウィッチンケア(Witchenkare)は今号で第15号となります。発行人・多田洋一が「ぜひこの人に」と寄稿依頼した、47名の書き下ろし作品が掲載されています。書き手にとって、小誌はつねに新しい創作のきっかけとなる「試し」の場。多彩な分野で活躍する人の「いま書いてみたいこと」を1冊の本に纏めました。》


2025/05/31

「ブツのLOOKS」はいまのままで(第15号編集後記)

 前号より寄稿者が5名、ページ数も28ほど増えて厚くなった「ウィッチンケア第15号」。制作費、諸経費(送料etc.)、そして販売価格も高くなってしまい...そりゃコロナ禍明け頃からのインフレ傾向でいまや「ワンコインランチ」なんて言葉もほぼ“死語”なんだから、とは思うものの、あいかわらず紙の雑誌にとってはなかなかたいへんな世の中です。


今号が初参加となった6名のみなさま(作品掲載順:綿野恵太さん、渡辺祐真さん、関野らんさん、山本アマネさん、早乙女ぐりこさん、佐々木敦さん)、ご寄稿ありがとうございました。そして引き続きご寄稿いただいたみなさまにも、改めて御礼申し上げます! みなさまのおかげで、今号も無事世の中に送り出すことができました。さらに、ヴィジュアルをがっしり支えてくださった写真家・圓井誓太さんとデザイナー・太田明日香さんにも感謝致します。




個別の寄稿作については、29日までに全作の〈寄稿者&寄稿作品紹介〉を公式サイトにアップ致しました。元来は創刊とほぼ同時に始めたBLOGGERが《純・公式》なんですけれども、いまでは見映え/インターフェイスともnoteの方がベターでありまして、ですので今号からのSNS告知はnoteのURLだけを貼っています(BLOGGERも更新しているんです、が)。みなさま、ぜひ、https://note.com/yoichijerry にて、各作品の引用箇所などお楽しみください! あちこち、いろいろ、ガチャ的に!! 明日(2025.6.1)には〈まとめ〉ページもアップ致しますので、ぜひそちらからも、あちいろガチャで。


前号の《編集後記》でも書きましたが、第15号でも誌面は発行人が必要だと考える要素だけで構成しました。「どういう本なの?」「見た目で内容が分かりにくい」「無愛想で読者を向いていない」等々、...ずっと言われ続けていまして、でもいまの時代、それらを「フィジカルな本」単体で備えなきゃいけないものなのか。(この場を含めた)ネットとの総合力で諸々補完し合って、「ブツのLOOKS」はいまのままでいいのではないか、と。このこだわりは、発行人/編集者を交代させないと変わらないかもしれない。。。


今号をつくりながらみっつのことが何度か発行人の頭を過ぎりました。


ひとつめは仲俣暁生さんの〈寄稿者&寄稿作品紹介〉でも触れた、「ダイナソー性(!?)」について。小誌は2010年の創刊以来、PDF入稿〜校了〜製本〜拙宅と取次会社に納品〜書店にて販売という行程で発行し続けていますが、この15年余で新しい「ものづくりの仕方」「流通のさせ方」が次々と始まっているわけでして。


ふたつめは「SNSの変容」...ウィッチンケア(および発行人)のアカウントは現在FacebooknoteInstagramtumblr、つい最近始めたThreadsにありまして、Xについては《寄稿者アカウントのリスト》をつくってなるべく見るようにしています。Xは...Twitter時代から長く眺めていますが、現時点で今号寄稿者のうち恒常的にポストしている方が十数名、各種告知とリポストがメイン、がやはり十数名、あとの方は元々アカウントなし/アカウント削除/あっても更新せず/メインが他のSNSに、といった感じでしょうか。


...みなさま、いつもはどこにいらっしゃる!? せっかく小誌の告知をしていただいたのに、発行人が見落としているSNSも少なくなさそうで、申し訳ありません。


そしてみっつめ。発行人の体質はどうしようもなくライター/編集者で、ここの改善が、ずっと小誌の課題であると。綿野恵太さんの寄稿作で言及されている「ポスト・フォーディズム」のスキルを...頑張ります。



それでは、今日明日をひと区切りとして、今後は第15号の販売促進活動と併行しつつ、よりヴァージョン・アップした次号に向けて動き始めようと思います。そして、こういうときの1曲……今日の(発行人まわりの)SNSでは、来年2月に来日公演するmy bloody valentineのチケットがとれねーっ、という話題が多くて(寄稿者の内山結愛さんは無事GET3月クララさんは残念無念...)。





私はマイブラの『Loveless』、1991年にとあるレコード屋のBGMで聞いて買いました。なんかいいのないかな、とガサゴソやってるときにかかっていて、良いなぁと思いつつも誰の曲か分からなくて、3曲目の「Touched」のねじれプログレ感でぐっと持っていかれて、それで、続く4曲めの「To Here Knows When」がキラキラ洪水みたいに始まって「これしかない!」と。ちなみにそのとき手に持ってたのがニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」の12インチ...結局両方とも買ったけれど、どっちが、と問われれば圧倒的にマイブラです。なので、↓。




2025/05/27

VOL.15寄稿者&作品紹介47 東間嶺さん

小誌前号(第14号)での寄稿者&寄稿作品紹介では、寄稿者・東間嶺さんが主宰してアート系活動の拠点としていた東京都町田市三輪町にあるオルタナティブ掘っ立て小屋『ナミイタ Nami Ita』が、火事で使用不能になってしまったことをお伝えしました。...あれから1年余、『ナミイタ Nami Ita』は復活! 町田市から神奈川県横浜市青葉区寺家町へと移転して、先月から本格的な活動を再開。現在は現代美術家・山本麻世さんの展示会『だいだらぼっちの毛づくろい』を開催中です。さて、そんな東間さんの今号(第15号)への寄稿作は「(概略)アプデしない生き方のせいで殺されてしまった先生とわたしに関するおおよそ4000字のテキスト。」。戯曲形式の本作は、ある殺人事件の関係者(被害者含む)をZoomで繋ぎ、コトの真相について語り合うが、その最中に、という座組の...世に言うハラスメントを題材とした一篇です。




作中の、あの世からZoomしているBの言い分が、なかなか味わい深いです。〈生前、わたしが大学を出て、現代美術作家として主に活動していた時期は日本が空前のバブル景気に湧いていました。訳がわからないほど大量の金が日本中を飛び交っていて、わたしの作る、既製品と樹脂を使った抽象的な立体作品はホテルに飾るオブジェなどの用途でよく売れましたが、「売れてるからってお前、これ以上地球に産廃増やしてどうすんだ?」とか「あなたの作品って、言うならば資本主義の排泄物ですよね。もう少し頭使ったら?」とか、妬んだ作家仲間や批評家、学芸員からは冷笑、罵倒されていました。制作が億劫になったのも、そんな言われ方をされる自分の状況にいじけて、模倣でしかできない才能にもうんざりしてしまったからでした〉...なるほど、同情はしませんが、そんな体験の成れの果てがパワハラな先生とは。


本作では前半部で物語のタネ明かしがされています。〈これからわたしAとわたしたちがお見せする、とても短い「パフォーマンス」……と便宜上そう呼びますが、そのパフォーマンスは「(説明書)教えていた学生にセクハラとアカハラして刺し殺された先生とあの世からのzoomで話したけど全然反省してなくて驚愕してたら自分も同じ様な理由で妻に刺されることになる、そんな男を中心にするおおよそ4000字のテキスト。」っていうものなんですけど〉、と。...じつは筆者からの初稿段階では、↑の「(説明書)教えていた〜(中略)〜4000字のテキスト。」そのものが作品タイトルとなっていました。少し後に〈このパフォーマンスは、「多義的な解釈に開かれて」いません。メッセージは明快です。〉ともあるので...ぜひ小誌を手にして、このようなスタイルにした東間さんの意図を推察してみてください。



ウィッチンケア第15号(Witchenkare VOL.15)
発行日:2025年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:276ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN:978-4-86538-173-3  C0095 ¥2000E



 (名乗って)わたしはA、Cさんが卒業し、B先生が教えてらした大学を卒業したばかりの美術作家です。在学中はわたしもB先生によくハラスメント……というか「才能ねえよブス」「お前みたいなのが、卒業したらすぐ結婚して子供産んでハイ一丁あがり、みたいになるんだろうねえ」とか人格否定されていて、ぶっちゃけですが、わたしも、殺してやろうかと思ったことが、一度や二度以上あります。Eさんじゃなく、わたしが殺してやればよかったかも。もっと巧妙な方法で、分からないように。こんなクズのためにEさんも死んでしまって。気の毒。
 わたしは、先生がそういうアップデートできないハラスメント老害だと学生の頃からもちろん知っていましたが、自分には被害がないし、無関心でした。でも、まさかこの時代になってまで続けているとは。その危機管理意識に驚愕しました。
 もちろん、わたしの接し方がもはや社会的に許容されないものであるのは分かっていましたが、いったん身についてしまった態度はなかなか変えられないものですし、むしろ変えたくないという幼稚な反発心もあったのです。何も分かってないバカ学生がゴチャゴチャうるせえんだよ、黙って聞いとけ! みたいなね。


~ウィッチンケア第15号掲載〈(概略)アプデしない生き方のせいで殺されてしまった先生とわたしに関するおおよそ4000字のテキスト。〉より引用~


東間嶺さん小誌バックナンバー掲載作品:〈《辺境》の記憶〉(第5号)/〈ウィー・アー・ピーピング〉(第6号)/〈死んでいないわたしは(が)今日も他人〉(第7号&《note版ウィッチンケア文庫》)/〈生きてるだけのあなたは無理〉(第8号)/〈セイギのセイギのセイギのあなたは。〉(第9号)/〈パーフェクト・パーフェクト・パーフェクト・エブリデイ〉(第10号)/〈パーフェクト・インファクション──咳をしたら一人〉(第11号)/〈わたしのわたしのわたしの、あなた〉(第12号)/〈口にしちゃいけないって言われてることはだいたい口にしちゃいけない〉(第13号)/〈嗤いとジェノサイド〉(第14号)


※ウィッチンケア第15号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!


【最新の媒体概要が下記で確認できます】

https://yoichijerry.tumblr.com/post/781043894583492608/



 

VOL.15寄稿者&作品紹介46 柳瀬博一さん

 ウィッチンケア第5号への寄稿作「16号線は日本人である。序論」以来、つねに都市やメディアなどに対する多角的な視点での作品をご寄稿くださっている柳瀬博一さん。3月に上梓された「アンパンマンと日本人」(新潮社)も好評のようでして、週刊新潮に掲載された文芸評論家・三宅香帆さんのレビューでは〈アンパンマンはきわめてAI的、という興味深い指摘もなされる。たしかに彼は、常にデータ(顔)をアップデートしながら、そのデータから生み出した結果を、人間たちに与える存在なのだ。アンパンマンは普遍的でありながら、実は時代を先取りした存在でもある〉と、いかにも柳瀬さんらしい考察法方についても触れています。さて、そんな柳瀬さんの小誌今号への寄稿作は「日本は東京以外でできている」。...また予言しておきますが、本作はいずれ書籍になって世に出るであろう筆者の新たな都市論の「核になるアイデア」が詰まった一篇に違いありません(と、思う)。冒頭近くには〈日本は、「東京的都市」と「東京以外」でできている〉という、タイトルをもう少し噛み砕いた一文があり、以後、この見立ての根拠を示しつつ、現在の我が国の構造が紐解かれていきます。




本作の前半では「東京」=「鉄道社会」、「東京以外」=「自動車社会」と定義されています。わかる! 私(←発行人)は1990年〜2013年までターミナル駅寄りの世田谷区で暮らしました。どの方向に歩いても、15分もすれば電車の駅が近づいてくる。ホームに立って、10分以上待たされることはほぼない。でっ、2013年の春から東京都町田市で暮らしていますが、小田急「町田」駅から拙宅まではバス(過疎った時間帯は電車の「新宿⇔町田」くらいの時間待たされる!)、食材の買い物は、けっきょくニトリや西松屋やダイソーが入ったショッピングモールが便利...2016年の冬に母親に頼まれて自転車で買い物にいき、ハンドルバーに白菜4玉ぶら下げて帰宅したときにキレて、しばらくしてクルマ購入しました。町田は明らかに「東京以外」です。


後半ではメディアへの言及も増え、そのどれもが肯首することばかり。〈テレビ局の人と新聞社の人は、揃いも揃っておんなじ景色、おんなじ通勤路しか見ていない。報道の複眼性や多様性など望めるわけがない〉...厳しい指摘ですが、そんな人たちの企業体質が世間の感覚とズレているとみなされてスポンサー(こちらはもう少し世の中を見ている)離れが起こったり、が現実。そして、作中にはもうひとつのキーワードとして「郊外」が出てくるのですが、それについてはぜひ、小誌を手に取ってお確かめください!


ウィッチンケア第15号(Witchenkare VOL.15)
発行日:2025年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:276ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN:978-4-86538-173-3  C0095 ¥2000E



 ところで、この「東京的都市」とは、どの程度の規模で、その住人とは何人くらいだろうか? Wikipediaなどに出てくる、首都圏はじめとする5 大都市圏の人口は、日本の6割程度で、首都圏には3800万人が暮らしており、札幌、京阪神、名古屋、福岡に合計4000万人程度、合わせて7000万人が都市住民なのだ、と規定している。マスメディアやコンサルまでこの数字を結構使う。
 日本は、東京的な大都市住民ばかりなのか? そんなわけはない。この定義、人々の暮らし方、生き方、意識のあり方を探る際に、東京的都市と東京以外の街とを見分ける上では、はっきりいって全く使い物にならない。
 この定義で都市を規定するととんでもなく勘違いする。勘違いするので、多くのコンサルがトンチキな地方開発をして大失敗する。
 東京的都市は、実はものすごく狭い。7000万人? 人口の6割? 冗談じゃない。東京23区と多摩地区の中央線の一部。東京横浜間の私鉄沿線および横浜の中心。以上である。せいぜい2000万人弱。実際はもっと少ない。日本の15%強である。


~ウィッチンケア第15号掲載〈日本は東京以外でできている〉より引用~


柳瀬博一さん小誌バックナンバー掲載作品:〈16号線は日本人である。序論 〉(第5号)/〈ぼくの「がっこう」小網代の谷〉(第6号)/〈国道16号線は漫画である。『SEX』と『ヨコハマ買い出し紀行』と米軍と縄文と〉(第7号)/〈国道16号線をつくったのは、太田道灌である。〉(第8号)/〈南伸坊さんと、竹村健一さんと、マクルーハンと。〉(第9号)/〈海の見える岬に、深山のクワガタがいるわけ〉(第10号)/〈富士山と古墳と国道16号線〉(第11号)/〈2つの本屋さんがある2つの街の小さなお話〉(第12号)/〈カワセミ都市トーキョー 序論〉(第13号)/〈湧水と緑地と生物多様性 ~「カワセミ都市トーキョー」の基盤~〉(第14号)


※ウィッチンケア第15号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!


【最新の媒体概要が下記で確認できます】

https://yoichijerry.tumblr.com/post/781043894583492608/



VOL.15寄稿者&作品紹介45 谷亜ヒロコさん

 昨年4月1日発行のウィッチンケア第14号では寄稿作「フィジカルなき今」が巻頭を飾り、その内容(とくにおカネの話!)もかなりリアルだった谷亜ヒロコさん。谷亜さんはリアル推し! ...って、スイマセン...小誌今号への寄稿作「折田さんは自分推し!」に擬えて筆者の作風を言い表してみましたが、どちらかというと“お花畑系ライター”だと自認する私(←発行人)からすると、谷亜さんテキストはいつも現実をビシッと捉えていて小気味よいのです。そんな谷亜さんが今作で斬り込んだのは、兵庫県知事の案件で話題になった実業家・折田楓さん...などを事例に、いわゆる自己承認欲求が強い人、についての考察であります。折田さんについては、メディアで伝えられた諸々について言及していますが、私が一番そうだな〜、と思ったのは〈折田さんの会社は彼女しか推すものがない。だからしょうがないのだ〉という一文。ばっさり、なんですけれども、でもどこか「情けを掛けている」というか...しょうがないのだ、という、多少の理解を示す言葉で結んでいるところに、ある種の矜持を感じたりして。





作品中盤からは、男性の承認欲求についても語られています。昨年末になくなった中山美穂さんにまつわる、親しかった男性2人(る井上ヨシマサさんと渋谷慶一郎さん)のXへの書き込みを引用して、これって「お別れのメッセージ」の体をした自己承認欲求ではないのか、と。たしかに、私も過去、知人の訃報を受けた後、SNSでのその方についての様々なコメントを読んだ経験、何回かありますが、おいおい、みたいなのも散見され。。。あっ、↑の男性2人への筆者の具体的なご意見は、ここに引用などはしませんので、ぜひ小誌を手に取ってご確認ください。


作中には谷亜さんご自身の承認欲求についても書いておられまして、その率直さにもはっとさせられましたし、なにが言いたいのかよくわからないことしか書けない自分を反省し、谷亜さんを見習いたい(たしか前作の紹介文でも「見習いたい」みたいなことを書いている...)とも思いました。


ウィッチンケア第15号(Witchenkare VOL.15)
発行日:2025年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:276ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN:978-4-86538-173-3  C0095 ¥2000E



 世間では折田さんのことを「自己承認のかたまり」とか「承認欲求の鬼」とか言われ放題。Instagramの投稿に至っては「キラキラ女子」なんて言われるが、これ家族写真を除けばキャバ嬢じゃん。確かにエルメスのバーキンだけは180万円ぐらいするけど、斎藤知事と映っているイッセイミヤケのセットアップもヴァレンティノの布バッグも10万円ぐらい。よくキャバ嬢の方が、ブランド品を持って笑顔、旅行先の絶景やグルメを前に笑顔、そんな映え写真を投稿しているのと同じ。キャバ嬢の場合、お店に来てお金を落として欲しいから優しい笑顔で誘っているだけなのだけれど、折田さんの場合は仕事が欲しいから。企画。企画書について彼女は「0→1の鬼になって、資料作るの大変」ってYouTubeで言ってるけど、代理店にいたらそんなの普通だし、noteから削除された案の内容もよくあるものだった。


~ウィッチンケア第15号掲載〈折田さんは自分推し。〉より引用~


谷亜ヒロコさん小誌バックナンバー掲載作品:〈今どきのオトコノコ〉(第5号&《note版ウィッチンケア文庫》)/〈よくテレビに出ていた私がAV女優になった理由〉(第6号)/〈夢は、OL~カリスマドットコムに憧れて~〉(第7号)/〈捨てられない女〉(第8号)/〈冬でもフラペチーノ〉(第9号)/〈ウラジオストクと養命酒〉(第10号)/〈鷺沼と宮前平へブギー・バック〉(第11号)/〈テレビくんありがとうさようなら〉(第12号)/〈ホス狂いと育児がほぼ同じだった件〉(第13号)/〈フィジカルなき今〉(第14号)


※ウィッチンケア第15号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!


【最新の媒体概要が下記で確認できます】

https://yoichijerry.tumblr.com/post/781043894583492608/




Vol.15 Coming! 20250401

自分の写真
yoichijerryは当ブログ主宰者(個人)がなにかおもしろそうなことをやってみるときの屋号みたいなものです。 http://www.facebook.com/Witchenkare