2024/05/07

VOL.14寄稿者&作品紹介22 多田洋一(発行人)

 「ウィッチンケア」創刊号からの寄稿者である多田洋一さん(←私/発行人)...って、今号でもまた、一連の作業で一番野暮な役まわりの回となりました。前号では拙作〈パイドパイパーハウスとトニーバンクス〉について、木村重樹さんが書いてくださったのですが、今号も誰かにお願いしてみようかな、と思っているうちに時は流れ...はい、それでは自作自評を致します。ええと、今号掲載作〈優しい巨人と美味しいパン屋のころ〉を書く動機のひとつは、少し前に世の中で流行っていた「推し活」みたいなものが自分にはあまりピンとこない、だったと思います。誰推し!? いや、とくに。...それでも記憶を辿ってみると、たしかにメディアの向こう側の存在に勝手に思いを馳せていた頃が私にもあったなぁ、と。その一番最初で、思い切りつまずいた。あれは、いまでもまだ少し痛い。であれば、その痕跡が残っているうちにフィクションに仕立ててみようと思ったのでした。最近の「推し」っていうのは異質な「感情の揺れ方」だったのだろうなとは、薄々勘付きつつも、でもまあいいかと。





前半、“彼女”からの残暑見舞いが届く前で“僕”が語っている経歴みたいなことは、ほとんど私と重なっています。幼稚園ふたつ、小学校みっつ、中学校みっつを渡り歩いたこと、いまでは「いろんな世界を知れてよかった」と納得していますが、そのころの転校生気質が抜けなかったせいか、サラリーマンも3年が限界、以後ずっとフリーランスで、辛抱の足りない人間となりました。


とにかく、ぜひ拙作をご一読いただけますよう、よろしくお願い致します。じつは小誌創刊以来ずっと「発行人」と名乗っているからか、「あれ? 多田さんもなにか書いていましたっけ」みたいなことを言われること、いまでも少なくもなく。お願いしますよ、私がこの誌を興した理由の半分は「オレの書いたものを読んでください」なのですから。そのへんの事情は、かつて「マガジン航」さんに寄稿した《私がインディーズ文芸創作誌を出し続ける理由》をご参照いただければ幸いです。もはや少し時代がかった内容ではあるのですけれども。




 そういえば僕は、彼女にファンクラブがあるかどうかなんて、考えたこともなかった。僕が彼女を好きなのは「僕と彼女とのこと」。二人だけの問題に他者の介在、許すまじ。テレビの公開番組なんかでは、よく下手くそな歌い手に「○○ちゃ~ん」なんて声援を送るバカどもが映るけれど、ああいうファン同士の連帯とか、意味がわからない。ファン同士って、じつは、本来は仇同士ではないのか、とすら思うのだけれども。
 

 
~ウィッチンケア第14号掲載〈優しい巨人と美味しいパン屋のころ〉より引用~


多田洋一小誌バックナンバー掲載作品:〈チャイムは誰が〉(第1号)/〈まぶちさん〉(第2号)/〈きれいごとで語るのは〉(第3号)/〈危険な水面〉(第4号)/〈萌とピリオド〉(第5号)/〈幻アルバム〉(第6号&《note版ウィッチンケア文庫》)/〈午後四時の過ごしかた〉(第7号)/〈いくつかの嫌なこと〉(第8号)/〈銀の鍵、エンジンの音〉(第9号)/〈散々な日々とその後日〉(第10号)/〈捨てたはずのマフラーどうしちゃったんだっけ〉(第11号)/〈織田と源〉(第12号)/〈パイドパイパーハウスとトニーバンクス〉(第13号)


※ウィッチンケア第14号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!

 

https://note.com/yoichijerry/n/n08f19b55d090

 

 

【最新の媒体概要が下記で確認できます】

 

https://yoichijerry.tumblr.com/post/747812865194475520/


2024/05/06

VOL.14寄稿者&作品紹介21 武塙麻衣子さん


 小誌を第13号からお取り扱いくださることになりました、東京都葛飾区青戸のawesome_todayさん。私(←発行人は)町田市という東京の西のハズレ在住でして、青戸と町田の距離は、もし私が西に向かえば山梨県大月市とか神奈川県足柄下郡真鶴町とか、そのくらい距離がありまして...それでお取り扱いの御礼に伺うのが夏の終わりくらいになっちゃったんですが、店主様に初対面のご挨拶をしていると宅配物が到着、そして「いまとってもおもしろい本が追加で入荷しましたよ!」と。その本が武塙麻衣子さんの「酒場の君」でありました。もちろんゲット、帰路にページを繰ると、登場する酒場は鶴見、川崎、野毛など神奈川県町田...もとい、東京都町田市にも馴染みの浅からぬ京浜チックな町にあるところが多く、妙な親近感も。そしてその内容ですが、いやぁこの人、なんてスマートで熟達した酒(と料理...+映画と本!)の楽しみかたをしているんだろうと、流麗な文章に導かれ、ぐいぐい惹き込まれました。私もかつては自称・夜の帝王として京浜ナイトライフを満喫したものですが(...自称です)、たとえば同作内の《立ち飲みしろちゃん 鶴見》での、アジのさつま揚げではなく焼きそばを注文するような粋な気配りができていたのか? しかも武塙さんが立ち飲みの友として読んでいるのが小池真理子の「追いつめられて」...こんなかっこいい呑兵衛様にはぜひ寄稿依頼しなければ、と横浜の小誌取扱店・象の旅さんにもご協力いただいて連絡をとり、良いお返事をいただけたのです。





武塙さんの小誌への初寄稿作は「かまいたち」と題された掌編小説。主人公である「わたし」は美容室の椅子に固定された状態。でも、そこでの美容師・「祥子さん」との会話から、時空を越えた物語が拡がっていくのです。この感じ、紙束とインク染みでしかない本から無限の物語が醸し出されるような...酒場で読書中の武塙さんの脳内を覗き込んだようなおもしろさです。なにしろ「わたし」、身だしなみを整えてもらいながら自身は“乗っていた船が海で難破し、救命ボート一艘のみで漂流する冒険物語の主人公”になってたり...。




さて、表題になっている「かまいたち」を、筆者は美容室内でどのように登場させるのか? それは、小誌を手にしてのお楽しみ。そして武塙さん、小誌と同時期に発行された「群像」5月号には「とうらい」という短編小説を寄稿、また同誌6月号からは「西高東低マンション」という連載が始まる、とのこと。なんだかとっても、物書きとしてのメートル上がってます(←古い表現でスイマセン…)!




  わたしは砂浜に立つ小学校四年生の祥子さんを想像した。突然、左膝から下がぱっくりと切れて呆然としている小さな祥子さんの髪からはぱたぱたと海水がたれ、大人たちは慌てて彼女の体に大きなバスタオルを巻き付けながら彼女の足を調べる。
「止血しなきゃ」
 という叔母さんの声。ペットボトルの水と別のタオルを持って、泣きじゃくる祥子さんに走り寄る従兄弟たち。傷口にタオルを押し当てながらお父さんはお盆休みでも開いている近くの病院を必死で思い浮かべようとする。

 


~ウィッチンケア第14号掲載〈かまいたち〉より引用~


※ウィッチンケア第14号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!

 

https://note.com/yoichijerry/n/n08f19b55d090

 

 

【最新の媒体概要が下記で確認できます】

 

https://yoichijerry.tumblr.com/post/747812865194475520/



2024/05/05

VOL.14寄稿者&作品紹介20 稲葉将樹さん

 今回が「ウィッチンケア」への初寄稿となる稲葉将樹さん。株式会社ディスクユニオンの出版部「DU BOOKS」の編集長として、数々の良書を世に送り出しています。それで、これは完全に私(←発行人)の妄想なんですけれども、「もしかしてこの編集者さん、オレのために本をつくってくれてるんじゃないの?」みたいな...とにかくここ数年、自分が大事にしている音楽関連の本って、とにかく稲葉さんが絡んでいることが多かったんです、とにかく。とくに小誌命名の原点とも繋がるPrefab Sproutの本とか、長らく私のiPhoneのホーム画面になってるThe Blue Nile(「HATS」のジャケット)の本とか。むかし私が勤め人だったころ、同僚にちょっとユニークな女子がいまして、その人はイベントなどで自分が“素敵!”と感じた女子を見つけると「ねえ、私たちお友達になりましょう」と声を掛けるんですと。そのころは「キミって、変わってるねぇ」くらいにしか思わなかったけれども、いまなら彼女の気持ち、少しはわかるぞ。私も稲葉さんとお友達...いやいや、「小誌はぜひ稲葉さんを寄稿者として迎え入れねばならぬ」、との強い決意で、今回依頼したのであります。




稲葉さんがメインとして語っているドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』って、一般的にはどのくらい聴かれているんだろうか? マイコーの『Thriller』ほどではないとは思うんだけれども...あっ、そもそも、辺鄙な小誌で「一般的」とか考えても詮無いので「みんな聴いてるさ」を前提で話は進みますが、しかし、それにしても、同作をケニー・ヴァンスの『Vance 32』を引き合いにして論考なさるとは! 私、かろうじてケニー・ヴァンスの『Short Vacation』だけは持っていましたが...お原稿が届いてから、慌てて入手しましたよ、『Vance 32』。




作品冒頭では稲葉さんの「音楽への向き合い方」も開陳されていまして、この部分は、じつは読みようによっては、けっこうクリティカル。ロック(ブルースでも、ヒップホップでも)の呪縛、みたいなものからの距離の取り方がスマートで、この立ち位置にして初めて、新たな聴界が開けてくるんだろうなと思いました。でっ、全篇を拝読して、改めて本作のタイトルに含まれた「人工楽園」という言葉の意味がよくわかるような...。なんにしても、『ナイトフライ』体験者/未体験者に関わらず、音楽コラムとしてとってもおもしろいので、みなさまぜひ、ご一読のほどよろしくお願い申し上げます。




 さて、そういうわけで、スティーリー・ダンは「ペグ」の歌詞が喚起するハリウッドのイメージも相まって西海岸色や多国籍なフュージョン感が強いのですが(だから世界中で大ヒットした)、ここでスティーリー・ダン史において、ふたりの才能を最初にフックアップした最重要人物であるケニー・ヴァンスを紹介したいです。ふたりと初めて出会ったときの印象をケニー・ヴァンスは「LSDをキメた図書館司書」と表現していますが、センスありますよね。
 ケニー・ヴァンスはフェイゲンとは違って生粋のニューヨーカーとして、東海岸ローカルな活動を今でも続けています。彼のソロ1作目の『Vance 32』(1975)は、幼少期からティーンまでの東海岸の音楽風景を描いた、やはりコンセプト・アルバム。


~ウィッチンケア第14号掲載〈人工楽園としての音楽アルバム ~ドナルド・フェイゲンとケニー・ヴァンス~〉より引用~


 ※ウィッチンケア第14号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!

 

https://note.com/yoichijerry/n/n08f19b55d090

 

 

【最新の媒体概要が下記で確認できます】

 

https://yoichijerry.tumblr.com/post/747812865194475520/


2024/05/04

VOL.14寄稿者&作品紹介19 木俣冬さん

昨年はNHK大河ドラマ「どうする家康」の完全ノベライズ(全2巻)で多忙を極めた木俣冬さん。任務遂行後も、今年の大河「光る君へ」に関するレビューをネットのニュースサイトで数多く発信しています。またシネマズプラスでの毎日・朝ドラレビューも連載中で、こちらは10年のターンに突入、とのこと。...木俣さんの凄いところは、これだけテレビを観て速報的なレビューを執筆しているのに、内容がいわゆる「コタツ記事」的なものではないこと。SNSを拝見すると、頻繁にテレビ/映画関係者を取材し、さらに時間が許せば気になる舞台etc.へも足を運んでいて、その蓄積があるから、レビューが分厚くて説得力もある。最近でも、たとえばYahoo!ニュース《哀れ花山天皇。が、それよりまひろと道長の展開が速くないか。「光る君へ」第10回》という記事に“余談だが、「光る君へ」はシェイクスピアのようなところが散見される。/散楽の人たちは「ハムレット」の旅芸人のようだし、鳥辺野の場面も「ハムレット」の墓掘りの場を少し思い出す。/いま、ちょうど、段田安則と玉置玲央が舞台「リア王」に出演しているが、王様と3人の娘は、兼家と3人の息子と重なるし、自らの体に傷をつけ他人を欺く人物は道兼を彷彿とさせる。”という指摘がありまして、こういうところ! さて、そんな木俣さんが小誌今号にご寄稿くださったのは、ご自身のXのプロフィールにさり気なく書かれている「井伊家臣木俣家末流」...についてです。 




〈アナタノコエ〉と題された寄稿作には“木俣家の先祖をたどったとき、最もわかりやすい人物は木俣守勝である/(中略)/徳川家康の家臣として〝伊賀越え〞に参加している”との一文が! 「どうする家康」のノベライズを担当したのは、もしかするとご先祖様からのなにがしかのご縁!? 同ドラマ第29話の〝伊賀越え〞、私(←発行人)は山田孝之と松本まりかの活躍に目が釘付けでしたが、木俣守勝はこのときの功名などで、板垣李光人が好演した井伊直政の家臣となったのか。。。


作品後半では、あの桜田門外の変が木俣家に与えた影響なども語られています。テロリズムの政変ってたいへんなんだなぁ、と私たちが歴史的に立ち会って目撃してしまった、あの数年前のできごとなどもチラチラ頭に浮かべながら、筆者の高祖父~祖父の時代にまつわる逸話も拝読しました。そもそも木俣さんがファミリー・ヒストリーに関心を持ったのは、数年前に実家の仏壇の隠し引き出しから、曽祖父が残した家系に関する手帳が出てきたから、だそうで...私もなにかきっかけがあったら、ちゃんと調べてみようかな(年配の親戚が「先祖は鹿ケ谷の陰謀をチクった多田行綱」と言ってたのを聞いた気はするけど、真偽は謎)。みなさま、ぜひ小誌を手にして、木俣さんのご先祖様に思いを馳せてみてください!





 恵比寿顔の社長のように、いつかちゃんと調べたいが、取り急ぎウィキペディアで木俣家を見ると、大河ドラマでしょっちゅう見る、家を誰が継ぐかという局面そのものだった。 明治維新によって木俣家は激しく揺らいでいた。仕えていた井伊家のお家騒動である。桜田門外の変で有名な井伊直弼が、あるとき突然、井伊家当主になったことで、木俣家九代当主は失脚した。直弼との関係が良くなかったからだ。そこで、弟が十代当主に。ところが、直弼が暗殺され、十代は反直弼派に外されて、十一代になったのが先述の幹。あくまでウィキペディア情報だけれど、この渦中にいたら、皆、さぞや落ち着かなかったことであろう。


~ウィッチンケア第14号掲載〈アナタノコエ〉より引用~

 
木俣冬さん小誌バックナンバー掲載作品:〈まぼろしの、〉(第13号)



※ウィッチンケア第14号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!

 

https://note.com/yoichijerry/n/n08f19b55d090

 

 

【最新の媒体概要が下記で確認できます】

 

https://yoichijerry.tumblr.com/post/747812865194475520/





2024/05/03

VOL.14寄稿者&作品紹介18 加藤一陽さん

 前号(第13号)に続き、2度目のご寄稿となる加藤一陽さん。現在はカルチャー系コンテンツ・カンパニー・株式会社ソウ・スウィート・パブリッシングを経営しつつ、多方面で活躍しています。同社は先月(4月30日)、『読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門』(ナージャ・トロコンニコワ/翻訳・野中モモ)を発行。また2022年9月に発行された『EVE OF DESTRUCTION』(チバユウスケ)は、今年1月時点で6刷、とのこと──THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「The Birdmen」を初めて聞いたのはたぶんCLUB SNOOZERでその日は生レイ ハラカミも観れた!/『THE FIRST SLAM DUNK』のオープニング良かった!!──私事を雑多にぶち込んですいません、合掌。...ええと、そんな加藤さんの今号への寄稿作のタイトルは〈俺ライヴズマター、ちょっとしたパレーシア〉。一瞬「!?」となりますが、作品を読んでみると、なるほど言葉選びのセンスが洒落てるな~、と感心してしまいました。でっ、内容はというと、散歩のお話。今号では内山結愛さんも荻原魚雷さんも(読みようによっては柳瀬博一さんも)散歩について書いていまして、いやあ、ただぶらぶら歩くことに、こんなにも人となりが反映されるものなのかと、全体を束ねる役割の私(←発行人)、驚いておりますですよ。





加藤さんが散歩中に遭遇、というか巻き込まれたのは、職質。日曜日の午後 at 道玄坂で、フィッシュマンズを聴きながらハイボールを歩き飲みしていたら。職質された理由は、加藤さんによると、警官曰く“「目が合ったときに逸らしたように思えた」”ですと。mmm、じつは私もここ数年で2回職質されていますんで、あの嫌な感じはよくわかります。1回なんて、自宅から100mくらいのところで自転車停められて(書き出すと長くなるので以下略)。どうも、あの制服の方々は、自由人っぽい身形の男が不審に感じられるのかもしれず...あっ、私がお目にかかった加藤さんは、すらりと長身で物腰柔らかなイケメン男性でした。お堅い職業の人、ぽくはなかったけれども。


もしも「見た感じ」が怪しかったから、という理由で職質を受けたのだとしたら...加藤さんは“「痴漢に遭うのが嫌ならば、露出の多い服装はやめるべき」という主張が狂っているのと似ているのではないか”などとも考えたりしていて、このへんのモヤモヤがBlack Lives Matterを想起させてタイトルに繋がっているのだと思います。それにしても、お気の毒な出来事なのにエッセイとして読むと、筆者の文才で、つい笑っちゃう。みなさま、加藤さんの職質顛末記をぜひお楽しみ(失礼!)ください。




 その道中、寿司屋と港区女子のケンカの記事をスマホで読んでいたら目の前に圧を感じ、顔を上げると警官が2人。さらに道の反対側から1人駆けて来る。瞬く間に3人に包囲された自分は、「こいつ何したの?」という通行人の視線を感じながら、「俺、何したの?」と思っていた。同時に脳内で自分の罪を検索した結果、路上飲酒を取り締まっているのだな、と考えた。最近の渋谷では条例ではないけれど、「路上飲酒はよしましょう」ムーブがあることを知っていたからだ。

 自分に対して警官Aは「何しているの」と尋ねた。フィッシュマンズとハイボールだ、は違うか、寿司屋と港区女子が、はもっと違うな、散歩、か? と混乱していると、Aは返事を待たずに「あの男、知り合い?」と誰かを指差した。人が多くてどの男のことか分からなかったので、自分は終業後に1人で散歩をしている、と真実のみを伝えた。

~ウィッチンケア第14号掲載〈俺ライヴズマター、ちょっとしたパレーシア〉より引用~


加藤一陽さん小誌バックナンバー掲載作品:〈リトルトリップ〉(第13号)


※ウィッチンケア第14号は下記のリアル&ネット書店でお求めください!

 

https://note.com/yoichijerry/n/n08f19b55d090

 

 

【最新の媒体概要が下記で確認できます】

 

https://yoichijerry.tumblr.com/post/747812865194475520/



Vol.14 Coming! 20240401

自分の写真
yoichijerryは当ブログ主宰者(個人)がなにかおもしろそうなことをやってみるときの屋号みたいなものです。 http://www.facebook.com/Witchenkare