2024/04/29

VOL.14寄稿者&作品紹介14 武田砂鉄さん

小誌第6号からの寄稿者・武田砂鉄さん。今号でも作品タイトルは〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉でして、これは第7号からの、不動のスタイル。初回はもう8年前(2016年)なので、なぜシリーズ化したのか知らない方も多いかと存じますが、じつは私(←発行人)もよくわからないのです。覚えているのは、第8号でいただいたお原稿のタイトルが前回と同じで、そのことが私的には(...またややマニアックになりますが)peter gabrielという、ある時期まで自身のアルバムのタイトルをすべて「peter gabriel」にしていたミュージシャンに通じる感覚でおもしろいと思って、そのおもしろさがいつの間にか誌面に馴染んで現在に至る、という。初回、ここをクリックすると少し読めますので、新しめの愛読者の方はぜひクリってみてください。そんな武田さんのラジオ番組「武田砂鉄のプレ金ナイト」も放送開始から2年目に入りました。あっ、先日、私が住む町田市の玉川学園の「さくらまつり」に参加したさい、ウィッチンケア第13号を見た御婦人が「武田砂鉄さんが書いてるんですか。『プレ金ナイト』聞いてるとお伝えください!」と。ええと、私は昨年7月、西荻窪の今野書店での「あなたにとってブックオフとは?」(谷頭和希さんとのトーク)というイベントでお目にかかって以来、お原稿のメールやりとりだけでしたので...御婦人さま、いま、ここでお伝えしました! 





今回の〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉、漆原氏は九段理江の『東京都同情塔』を手にして、武田さん(このインタビュアーが「武田」姓であることは第12号で唐突に明かされた)のまえに現れます。そして、開口一番「ほら、だから言ったでしょう」と。コロナ禍のころはもう少ししおらしいというか、ビジネス対する迷いのようなものも感じさせたのですが、株価が33年ぶりの高値をつけるような時代になったからでしょうか、自信に満ちた口調が、テキストからでも目に浮かんできます。


なんというか、漆原氏には、たとえば武田砂鉄さんと武田鉄矢さんは名前が似ているからなんらかの関係性があるはずだ、みたいな思考回路が備わっているのかもしれず、その初期設定で持論を展開するから、インタビュアーの指摘に対してもわけのわからないことを...なにしろ氏曰く、『東京都同情塔』に出てくる「シンパシータワートーキョー」は“私の考え方から影響されたとしか思えない着想”、なんですって。んで、自分がそう考えたから、“それはもう、シンパシーなのです”、とも。ちょっとみなさま、ぜひ小誌を手にして本作を読み、漆原氏に反論してやってください!




──漆原さんがそう思ったら、それはもうその通りなのだと。
 そういうまとめ方をされると、私が独善的に見えてしまいますね。自分の権威性を振りかざしたいわけではありません。そこを誤解してもらっては困ります。形を変えて出てくるものがある。ここに可能性を感じたい、私はそう言っているだけなのです。決して、話題になっているものに便乗しているわけではありません。
──私も、便乗している、と言いたいわけではないんです。あまりにも概念として異なっていると思ったもので。
 今、概念という言葉を使われましたね。大切にしたい言葉です。意味ではなく、概念で動きたい。概念は変容します。人間の動力になる。しかし、意味は固まります。動きを止めてしまう。


~ウィッチンケア第14号掲載〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉より引用~


武田砂鉄さん小誌バックナンバー掲載作品:〈キレなかったけど、キレたかもしれなかった〉(第6号)/〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉(第7号)/〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉(第8号)/〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉(第9号)/〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉(第10号)/〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉(第11号)/〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉(第12号)/〈クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー〉(第13号)

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Vol.14 Coming! 20240401

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