今号が「ウィッチンケア」への初寄稿となった内山結愛さん。内山さんはアイドルグループ・RAYのメンバーとしての活動だけでなく、ご自身のnoteでの「週一のペースでディスクレビュー」、Twitter(現X)での「#内山結愛一日一アルバム」など、つねに音楽的発信を続けてきていまして、とくにnoteでのレビュー...ここでのアルバムのチョイスが、ここ数年、私(発行人)の音楽的嗜好に刺さりまくること、数知れずなのでした。とくに決定的だったのが(...マニアックな話でスイマセン)2022年8月15日の《Genesisの『Lamb Lies Down on Broadway』を聴いてみた編》で、CDだとM-18になる「The Colony Of Slippermen (The Arrival/A Visit To The Doktor/Raven)」を“展開コロコロ変わるし、ボーカルは1人4役くらいやっているし、みんな忙しそう”とレビューされていまして...まいりました。仰るとおりだと私も思います、と。じつはこのアルバム、私の生涯ベスト1でして(たしかジム・オルークもそんなこと言ってた記憶が)~~~もうね~~~、いつかは書き手として小誌にご登場願いたいと、常々思っていまして、今回勇気を出してnoteからDMしてみたわけなのです!
届いた作品のタイトルは「散歩、あるいはラジオ」。音楽から離れた内山さんの、ささやかでのんびりした日常が綴られているのかと思いきや、違いました。なんと、音楽への情熱と同じくらい、いや、それ以上の情熱を捧げて散歩の真髄を追求していました。それはまるで、noteでのレビューで多様な名盤にチャレンジして「自分なりの〝答え〟」を導き出していくように。こんなに真面目に真摯に散歩してもらえて、内山さんに踏まれた道も、目に映った風景も、そして絶妙な散歩のお供であるラジオ番組も、幸せだと思わなければいけません!
作品内で、きっと誰もが釘付けになりそうなパワーワードが「ハード散歩」。“根が方向音痴だし、沢山散歩してきたのに、未だに距離の感覚が掴め”ないと語る内山さんが、ときに陥ってしまうこの状況については、ぜひとも本作を実際に読んで共感していただきたく存じます。他にも「無」「地獄」「絶望」なんて、物騒な言葉もちらほら、でも筆者は明らかに散歩を楽しんでいるようで、その生き生きした感じが伝わってくる、ほんと、内山さんにしか書けないエッセイ。この一篇を今号に掲載できたこと、発行人として、とっても嬉しいです。
~ウィッチンケア第14号掲載〈散歩、あるいはラジオ〉より引用~
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