第14号では誰に、新たに寄稿依頼してみようか。そんなことを考えながら昨年の秋ごろ、私は都内の個性派書店をまわっていました。いや、じつは拙宅から数十メートルのところにも書店はあるのです。でもそこで扱われている本、なかなか私が「読みたいな」と思うものが見つからなくて。今号が初寄稿となるオルタナ旧市街さん(以後「オルタナさん」)の「一般」は、文京区本郷の機械書房さんの平台で発見。店主様から「めずらしいサイン入りですよ」とも薦められてゲットしました。収められている《レヴェンワースの光。タイムズ・スクエアの花嫁》という一篇で描かれた生活感覚...すごくきちんとしているなぁ、と思いました。その後も書店めぐりは続き、今度は世田谷区祖師谷のBOOKSHOP TRAVELLERさんにて「ハーフ・フィクション」をゲット(「オルタナさんは、良いです!」と推す店主様を介して連絡が取れることになり、寄稿依頼も)。依頼先は小誌の存在を知らない、がデフォルトなので「見本誌を送付させていただけませんか?」と尋ねたら、オルタナさん、第13号をどこかで見かけ、表紙に惹かれて購入してくださっていた、とのこと。なんと、読者様でもあられましたか! 発行人として、とても嬉しい瞬間でした。
「長い長いお医者さんの話」はエッセイのようでもあり、でも小説のような風合いも感じさせる、身辺雑記的な作品。内容は闘病記、とも言える辛いものですのに、読後感はなんだかふわふわほのぼのしているの、なぜ? おそらく、↑のほうで書いたオルタナさんの「きちんとしている」感が、体調不良であっても貫かれているからではないか、なんて思いつつ、その細やかな観察眼と艶っぽい筆力に感服致しました。スイマセン、具合の悪い方の話をおもしろく読んでしまって...。
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