イラストレーター・オザワミカさんのことは、小誌創刊(2010年4月)のころに参加していたリトルプレスのメーリングリスト(ML)で知りました。当時のオザワさんは江口寿史さんとの2人展を開催したり、「hito(ヒト)」というスタイリッシュな冊子を発行したりしていて...その後、時代はMLからブログやSNSへと移行して、私が町田在住になったこともあり、ある日ひょっこり藤が丘のM.O.N.O. SHOP & GALLERY(実店舗)を訪ねたこともありました。そのときオザワさんが表紙&デザインを手がけるBOOKMARKを何冊かいただきまして、いやぁ、ほんとうに綺麗な色使いで、思わず部屋に飾っておきたくなるようなCDサイズ。そして、そんなオザワさんが作画を担当した桜木紫乃さんとの絵本「いつか あなたを わすれても」(集英社刊)は3月26日に発売されたばかり。書店などで見かけたら、ぜひ手にとってみてください!
小誌への初寄稿となったオザワさんのエッセイは〈ご機嫌を取り続ける毎日〉。私は拝読してすぐに、今号はここからスタートしようと思ったのでした。「病は気から」って言葉がありますけれども、まさか「気」ではなくリアルな「病」が蔓延して、こんなに鬱々と「世の中の気分」にまで影響を及ぼすなんて、ちょっと想像していなかった。なので、まさに「人は気の持ちよう」ってことをご自身の体感として綴ってくれたオザワさんの一篇を読むことで「みんな元気になりましょう〜」と。その思いはいまだに変わりませんが、しかし現時点(2021年5月!)でも緊急事態宣言中だっていうのは、ちょっと、ね。
...そういえば、星野源が「うちで踊ろう」をインスタグラムにアップしたのが昨年の4月3日。その後数日間の盛り上がりで、私のご機嫌もかなりよくなっていたことを懐かしく思い出しています(ただそれから約1週間後の、忘れもしない日曜日の午前中。前総理大臣の「うちで踊ろう」を見て逆に塞ぎ込んでしまった...)。とにかく、繰り返しですが「人は気の持ちよう」だと思います。そして、オザワさんの今号寄稿作には、もやもやした気分を変えるためのヒントが詰まっています。
そうだ、そんなときは音楽だ! 心穏やかな音楽を聴くんだ! と思って、素敵なBGMをかけてみる。
全っ然、入ってこない。そうなってくるとさらに「うわー」と焦って、ほんとになんにも描けなくなってしまった。
締め切りが近づき、ほとほと困っているときに、わたしがメンターとして崇めるお一人から「あ、1度出しちゃうんです、嫌なほうを。嫌だ〜、っていう絵を先に描いちゃうといいんです」ということを教えていただく。