2011/04/19

WTK2寄稿者紹介01(木村重樹さん)

木村重樹さんとはオーガニックなランチを食べながら打ち合わせをしました。

かつてペヨトル工房の編集者であった木村さん。現在はエディター/ライター/大学の先生とマルチな顔を持っていますが、そんな木村さんと私はいつの頃からか、茶飲みともだちになっていました。年に何回か会って、ふだん絶対に入らないような“お洒落っぽい”お店に敢えて入って、時事問題について語り合うという...。

いや、じつは昨日も今年初めてとなる時事放談をしたのです。まあ、話題のほとんどは震災と原発、およびそれらから派生した事柄について。めずらしく真面目な雰囲気が持続しましたが、それでも最後のほうになって私が「...こんなときになんですが、じつはコッコアポのCMにやられました。石原さとみ、いままでノーチェックでした」と告白すると、それも真面目に聞いてくれる。木村さんが多彩な仕事で活躍している秘訣は、この図抜けた「聞き上手」さにあるのではないか!?

木村さんと私は同業者でありますが、資質はずいぶんちがいます。ギタリストにたとえるなら、木村さんはどんなジャンルにも対応できるスマートなセッションマンで、私は手癖のコードかき鳴らすだけのバカロッカー。野球選手にたとえるなら、木村さんはユーティリティープレイヤーにして将来の監督候補で、私はやたら空振りの多いDH(解雇寸前...)。

...とにかく、木村さんが寄稿してくれた「私が通り過ぎていった“お店”たち」のさらなる拡大版を、私はいつか読んでみたいです。幼少期の駄菓子屋さんからこと細かに書き綴られた、単行本1冊くらいのずっしりしたのを!


 なかでも、「KINNIE(キニー)」というブート屋さんは、狭苦しい店内に、ロックファン垂涎の盗録音盤がめいっぱい並べられ、万引き防止用にカバンをレジ脇の棚に預けて、客は目の色を変えてお宝を物色していた(夢中でレコード・スリーブをめくっていくうち、レコードの落下音が耳障りになると、もれなく店員に「音を立てないで!」と叱られるオプションつき)。店内ではイチ押しの新譜が割れんばかりの爆音で再生され……そう、ブート盤の大半は、コンサート会場に隠し持っていったテレコで録音したカセット音源ゆえ、ほとんど低音が聞こえないスカスカの音質なのだが、でも店内では爆音……という極めてアンバランスな音響に充ち満ちた
〝あの空間〟に身を置くと「ああ、オレは今、ロックのいけない愉悦にどっぷり浸っているんだ」という気がしたものだった。

〜「Witchenkare vol.2」P14より引用〜

Vol.14 Coming! 20240401

自分の写真
yoichijerryは当ブログ主宰者(個人)がなにかおもしろそうなことをやってみるときの屋号みたいなものです。 http://www.facebook.com/Witchenkare