2011/05/28

WTK2寄稿者紹介13(藤森陽子さん)

藤森陽子さんとは冬の焼きりんごを食べながら打ち合わせをしました。

『Hanako』『BRUTUS』といったマガジンハウスの雑誌、Webサイト(Cafe glove.comの旅コラム「旅の肌ざわり」)などでライターとして活躍中の藤森さんは、いつお会いしても忙しそうで、そして(...「そして」じゃなくて「それなのに」かな?)はつらつとお洒落。あっ、なんだかいきなりややこしい書きっぷりで申し訳ありませんが、いやね、ふつう、そんなに忙しかったら「見た目も体調もボロボロ」でもいいんじゃないの、とか、思いません!? ところが藤森さんは「忙しい」と「お洒落」を両立させてしまうタイプ、輝きながら働く女性!

たぶん、たとえば優秀なスポーツ選手が傍観者にはキツそうにしか思えない状況なのに自己の能力と他者への魅力を最大限に発揮しつつ「ゲームを楽しんじゃう」ような、そんなことができる人なのだと思います、藤森さんは。だから、きっと天職なんだろうな〜、見知らぬ人と出会ったりステキなものを発見したりして自分の文章で伝える、取材スタイルのライター仕事が。社会にコミットしてる感じで、羨ましいな〜。

そんな多忙な藤森さんは近年、プライベートでは『藤花茶居』の屋号を掲げて台湾茶ケータリングを楽しんでいます。つい先日も製茶したての春茶を買うため、台湾の坪林郷、杉林渓、鹿谷郷へと。現地で仕入れた新茶をお披露目するため、来月再来月には都内各地で茶会を開く予定なのだとか。な、なんと、仕事疲れのリフレッシュでも人(たぶん見知らぬ人も含む!?)と会うか! 私なんか忙しい仕事が一段落したら、絶対ひとりになりたいか、まあ会うとしてもよく知ってる人なんだけれど...って、私と比較することではありませんが...しかし藤森さん、たとえ夕暮れの浜辺にぽつんと座っても、見知らぬ蟹や巻貝と出会ってコミュニケってるんですか〜(意味不明)!?

藤森さんが寄稿してくれた「接客芸が見たいんです。」は、ご自身の取材体験で日頃から強く感じていることなのでしょう。いや私、若い時分にひとりでメンフィスにいったことがありまして、でっ、夜遅く辿り着いた、小さなホテル。チェックインが済むとオーナー(老婆)がにっこり「ようこそ、メンフィスへ!」と労ってくれまして、そのなんでもないひとことが旅心に響いたもんだったよ。これがサザン・ホスピタリティってやつか、と。


 飲食店の話ばかりしたけれど、この辺でホテルのことも書かないと。ホテルこそプロフェッショナルな接客術を思う存分堪能できる場所。初対面なのに宿泊客である自分を緊張させず、親しげで、かといって馴れ馴れしくはなく、瞬時に寛いだ気分にさせるあの絶妙の間合い。
 荷物を運ぶポーターさんなんて、エレベーターで客と2人きりになっても実にスマートに沈黙を埋め、さらにそのまま部屋の中に入っていくなんて事までやってのける。人見知り気味だった駆け出しライターの自分にとって、それはE難度の離れ業を見る思い。なので、どうにかインタビュー術を上達させたくて、ホテルの人の立ち居振る舞いや会話のテンポ、客との距離のとり方を観察して自主練に励んだ過去があるのだが、思えばこれが今のような接客マニアになったきっかけだったようです。

〜「Witchenkare vol.2」P163より引用〜

Vol.14 Coming! 20240401

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