2010/04/06

寄稿者紹介6(多田洋一)

順番でいくと今日は自己紹介になるので、こんな機会には、自己申告でもしないかぎりは、このまま「ネット時代前夜の活字産業」の超深海魚として棲息していくことになりそうな私自身の遠い過去の仕事について、少しだけ...。

「エコエコアザラクII」(脚本:佐藤嗣麻子 ノベライズ:多田洋一 扶桑社文庫、1996年4月、ISBN 4594019684)

吉野公佳主演の映画「エコエコアザラク Ⅱ EKO EKO AZARAK Ⅱ Birth of the Wizard」(1996年公開)のノベライズ本。どういうわけか!? とても自由に書かせてもらい、ほぼそのままの内容で出版されました。もう10数年読み返していないが、たしか前半部分は私の完全創作状態。映画には全然出てこないLed Zeppelinの話などを、当時嬉々として書いた記憶が。

「Tokyo 23区の女」(フジテレビ出版 、1996年9月、 ISBN-10: 4594020690)

フジテレビ深夜に放映された実験的オムニバスドラマ「Tokyo 23区の女 」の番組本。全26話中11話をノベライズで収録。その全部を私が書き、うち1話は脚本家からNGが出て全面サシカエになるが、残りの10話はかなりの自由度で書いたものが、そのまま出版。この仕事をしながら、私は1人称と3人称の使い方について、いろいろ実験していた記憶が。奨学金留学生みたいな気分でした。

「品川区の女」はドラマも面白くて、自分でもうまく書けたと当時思った。あと、「千代田区の女」ではニッポン放送の番組「オールナイト・ミュージック」のパーソナリティ・神崎薫(水野美紀)がイービーティージーの「Before Today」、小沢健二の「僕らが旅に出る理由」、シャンティ・サベージの「I Will Survive」、ザ・ブルー・ナイルの「Soon」なんて曲を次々とかけるのですが、どう考えても、現実ではあり得ない選曲...っていうか、これらは明らかに当時の私の、この仕事のBGMを並べて遊んでる。

このへんは赤字チェックでもスルーだろう、と読んで、ノベライズ仕事では少し戯れる(ちまちまと自己投影させる)のです。そしてこの仕事は、若い頃いろいろ助けてくれたオフィス旬の外山知子さん(故人)との共同作業。

雑誌、広告、PR誌などでの仕事はあまりにも雑多(しかも栄枯盛衰)で、ネットで探し出したりするだけもたいへんなのですが、でも検索してひとつ発見。この仕事(月刊文藝春秋に連載)で紀行ライターを5年ぐらい続け、多くの作家と会い、日本全国を旅したことは貴重な体験でありました。

web@yoichi(多田洋一のHP)

Vol.14 Coming! 20240401

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