浅生ハルミンさんの著書「猫座の女の生活と意見」(トリストラム・シャンディを踏まえてのタイトルか!?)のなかに、私は密かに悪役として登場しています。P100下段の「知人の別荘でバーベキューをしたときのこと」のくだりで...。以下は同書より引用。
皿に取り分けたがまだ十分に焼けていなかった高級霜降り肉を再び網に戻し、そろそろ焼けるかなーとお皿を空けて待ち構えていると、他の人のお皿には肉が戻っていったのに、どういうわけか私の肉だけ戻ってこなかった。私の肉はどこ……? 眼の前には空っぽのお皿。自分だけ舞踏会に連れていってもらえず掃除を命じられた灰かぶり姫のような気持ちに襲われ、泣いてしまった。私のお皿にだけ肉がのっていないのが本当に悲しかった。
すいませんでした! 焼き上がりのタイミングを見計らうのに忙しくて、ついうっかり浅生さんの肉を戻し忘れただけですよ。他意はなし。バタバタしてたの、それだけ。突然眼にいっぱい涙を溜めて噦るから、慌てて戻したでしょ、高級霜降り(というよりはリブロース塊の丸焼きを、その場でスライスしてのサーブ...だから火がなかなか通らなかった)。
よもや数年後に「そのことを思い出すと、悲しさが今も完璧に、完全なまでによみがえってきてまた泣いてしまう」と日本全国で発売される本に記されるとは、思いもよりませんでした。本当にすいませんでした!! ちなみに、このバーベキューパーティの主宰者は、Witchenkareのアートディレクションを務めた有北眞也さん。
浅生さんの新著「猫の目散歩」を、私はかつての職場近くの書店「本の教文館」で買いました。2階の「女流作家コーナー」にどっさっり陳列されていたなかから、謹んで1冊。...とにかく、もう2度と灰かぶり姫のような気持ちにさせるような失敗は繰り返しませんので、どうか今後ともよろしくお願い致します〜。
浅生ハルミンの『私は猫ストーカー』 passage
Vol.14 Coming! 20240401
- yoichijerry
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