2025/03/31

きちゃ(ノベライズ・ウィッチンケア第15号)

そもそも、僕が最初に彼女の「きちゃった」を被ったのは2015年...。

世の中は変わるものだ、令和7年。アポなし訪問なんていまや悪徳業者くらいしか...それでも彼女は平然と、今年も微笑みながらやってきたのである。
(コンプライアンス云々みたいなことを超えて、こういう体験はむしろ新鮮かも) 

「お待ちどおさま。今年もできたよ、ウィッチンケア第15号。持ってきたんだから、ちゃんと読んでね」

彼女が差し出したのは、彷徨う女性が表紙になった本。伊勢丹のショッピングバッグみたいな色合いだな、と一瞬思った僕の感覚は...どうなんだろう?

「ありがとう。第15号って、短くもなく続いてるね」

「いろいろたいへんなんですよ、出版の世界は。でも、本をつくるのは楽しいから」

「楽しいと、続く!?」

「続きます。だから、隅から隅まで全部読んでね」

「わかりました。でっ、あのぅ、もし読まなかったらやっぱり今年も?」

「きっちり殺します!」

そう言い切って彼女は去った。僕はウィッチンケア第15号をじっくり読み始める。



あいかわらず表紙を見ただけでは、どんな内容なのか皆目わからない。こんな本が書店で、文字情報だらけの他の本とともに並べられていたら...そこに発行人のなんらかの意志を感じ取れるのではありますが、まああそれはそれとして、ロゴと号数の配置が絶妙なのは、エディトリアル・デザインを手がける太田明日香の美意識。ちなみに第10号まで表1に配されていた《すすめ、インディーズ文芸創作誌!》というキャッチみたいなのは、今号にも見当たらず。風の噂では発行人が「『インディーズ』とか『オルタナティヴ』とかいう意識がいつのまにかなくなっちゃったんで」みたいなことを宣っていた、とか。「文に芸のある人が創作したものをまとめた」から文芸創作誌、なのらしい。

ページを繰ると、ロゴだけのシンプルな扉に続いて、モノクロでも光と影のバランスが繊細な写真、そして片起こしの《もくじ》が始まる。次ページ見開きも《もくじ》が続いていて、寄稿者数は47名にまで増えている。作品名より人の名前が上なのは、創刊以来変わっていなくて...つまりこれは「誰が何について書いているか」(「誰が書いているか」だけ、でも「何が書かれているのか」だけ、でもなくて)、ということを強調した形式なのだろう。次の見開きには水面の輝き、そして水辺を彷徨う女性の写真が。今号のヴィジュアルイメージを支配している写真家・圓井誓太については2025年3月16日にアップした《写真家・圓井誓太さんについて》に目を通してもらうのが一番だと思う。

今号のトップは初寄稿となる綿野恵太。自身の体験を元に、物流倉庫で働く人々のコミュニケーション事情を考察した。次が藤森陽子のエッセイ。女性が口にした「フェミニン」という言葉にまつわる逸話から、時代の空気感が伝わってくる。続いて初寄稿の渡辺祐真は、書評家としての仕事と「現代」という観点についての思いを書き記した。木俣冬はテレビドラマ評などを長く続けた経験をもとに、「女優」という言葉の含意を問い直す。カツセマサヒコはバスケットボールの躍動感を小説化して、作風の新境地を探った。初寄稿の関野らんは墓地設計家/建築家という自身の仕事を踏まえ、改めて死者の尊厳について考えてみた。木村重樹はインターネットが発達した時代の、音信不通になった友人に思いを馳せる。初寄稿の山本アマネは読書体験と実生活の交錯を、身辺雑記のスタイルでしたためた。鶴見済は巷ですっかり一般語化した「推し」について、「尊厳」という言葉を対比させてみるなどの試みを。武塙麻衣子は前号寄稿作「かまいたち」に続き、妖怪との不思議な出会いを描いた小説。加藤一陽は自身の過去を振り返りつつ、芸能界での性加害問題にも言及。朝井麻由美はSF小説として、感情が抑制されたディストピアな未来社会を予言する。中野純は男性の乳首露出とメディアの関係を、独自の視点で多角的に考察。初寄稿の早乙女ぐりこは伊豆のゲストハウスを物語の舞台に、女性の細やかな心理を描いた小説を発表。武田砂鉄は今号でも、漆原CEOとの当意即妙な架空インタビューバトルを繰り広げる。内山結愛はTwitterとスーパーマーケットの摩訶不思議な共通性(!?)、に着目した散歩エッセイを。初寄稿の佐々木敦は蓮實重彦や小島信夫などに言及し、夢の刊行予定リストを開陳。オルタナ旧市街は何気ない日常がいかに〝薄氷の上〟なのか、繊細な感性で再確認してみた。清水伸宏は現実と記憶を行き来しつつ、日々を繰り延べている男性の恋愛模様を小説に。絶対に終電を逃さない女は身体と心理の関係性を深く織り込んで、擦れ違ってしまう恋人同士の情景を小説で描いた。長谷川町蔵の今号の小説は音楽好きなサラリーマンの日常、かと思いきや終盤...。かとうちあきの小説の中には、なんとも形容しがたい宇宙人が登場したりして。多田洋一の小説は実母の実家があった代々木上原を舞台に、SMAPに関するさまざまな逸話も。星野文月はベトナムとインドネシアの旅行記で、風景や人との関わり、自身の心の揺れを丁寧に書き記した。コメカは少年が出会った不気味なクリーチャーとの物語を寄稿、TVODの活動などとは違った意外な作家性を発露。小川たまかは自身の活動の周辺に渦巻くさまざまな齟齬を、雑記として拾い集めて一篇にまとめた。武田徹は茨木のり子の詩の世界を、一般的にはあまり語られることのない側面からの視点で読み解いた。蜂本みさはヤーンボミング(Yarn bombin)という編み物の芸術活動(!?)が題材、その魅力に惹き込まれていく男性を小説で描いた。宮崎智之の随筆/エッセイは、自身のバスケットボール体験を元にした「補欠」についての論考。3月クララは前号掲載作「ゼロ」とも関係性のある、幽霊の心根に寄り添った小説を。稲葉将樹は少年時代に足繁く通った出身地・茨城県下妻市の書店や、当時夢中になった本についての思い出を語った。すずめ園はもしかしたら自分が歩んでいたかもしれない別の人生を、恋愛小説として。荻原魚雷は55歳という自分の年齢をきっかけとして、中村光夫や吉田健一の晩年にも言及しつつ、今後の生き方に思いを馳せた。仲俣暁生は個人レーベル「破船房」での活動の原点とも言える、橋本治との忘れられない思い出を披露。トミヤマユキコは生活環境の変化に伴う、ひとりっ子としてのある決意について書き留めた。吉田亮人は地元京都府からの仕事依頼で巡り会うことになった、織物に関わる人々への感銘をエッセイに。野村佑香はいま一番夢中になっている、インプロという即興演劇の豊かさや奥深さにについて。久禮亮太は開店2年目となる自身の店舗・フラヌール書店での、さまざまな人々との交流の様子を日記形式で。うのつのぶこは「長男の不登校」への向き合いを、自身が高校生だった頃をも重ね合わせて語った。武藤充は大きな影響を受けた忘れ得ぬ人との交流、そして突然すぎたできごとについて振り返る。ふくだりょうこの小説はかなりの毒気を孕んでいつつ、でも軽妙な語り口であるのがなおさら恐い。我妻俊樹の小説は学園物語なのだが、どこかが壊れていて後味がなんとも独特だ。美馬亜貴子の小説もまた、人間の親密度が数値化されたらというアイロニカルな一篇。久保憲司の小説の主題はAIで、ダリル・グレゴリイや坂口安吾が引用されている。谷亜ヒロコは兵庫県知事の事案で話題になった人物を通じて、自己承認欲求を考察。柳瀬博一は日本を「東京」と「東京以外」に腑分けして、現代の都市問題を分析した。東間嶺の戯曲作品は、つい最近も現実で起こった事件を予言していたかのようなネットの闇を描く。

47篇の書き下ろし後に、今号に関わった人のVOICEを掲載。その後にバックナンバー(創刊号~第13号)を紹介。QRコードが付いているのでWitchenkare STOREでその場で購入できるとは、世の中便利になったものだ。……こんなに読み応えのある本が、じつはまた少し値上げして(本体:2,000円+税)でして、みなさまごめんなさい。諸物価高騰のおり、小誌を続けていくためのこととご理解くだされば嬉しく存じます。

それで、今回もまた繰り返すしかないのだが「ウィッチンケア」とは、なんともややこしい名前の本だ。とくに「ィ」と「ッ」が小文字なのは、書き間違いやすく、今号でも<ウイッチンケア>で検索すると、小誌を紹介してくださっているポストがいくつかあった。他には<ウッチンケア><ウッチン・ケア>...まあ、漫才のサンドウィッチマンも<サンドイッチマン>ってよく書かれていそうだし、そもそも発刊時に「いままでなかった言葉の誌名にしよう」と思い立った発行人のせいなのだから...初志貫徹しかないだろう。「名前変えたら?」というアドバイスは、ありがたく「聞くだけ」にしておけばよい。

そしてそもそも「ウィッチンケア」とは「Kitchenware」の「k」と「W」を入れ替えたものなのだが、そのキッチンウェアはプリファブ・スプラウトが初めてアルバムを出した「Kitchenware Record」に由来する、と。やはりこのことは重ねて述べておきたい、とだんだん話が袋小路に陥ってきた(というか、いつも同じ)なので、このへんにて。












2025/03/16

写真家・圓井誓太さんについて

 

ウィッチンケア第15号の表紙を含む写真すべては圓井誓太さんの作品です。




小誌は第9号以降、テキスト以外は写真家の作品発表スペース(紙のギャラリー)となるようなレイアウトに変更しました。vol.9の菅野恒平さん、vol.10の長田果純さん、vol.11の岩田量自さん、VOL.12の白山静さん、VOL.13の千賀健史さん、VOL.14の張子璇(Zhang Zixuan)さん...号ごとに男性/女性と交互で続いてきていますので、発行人が「次号は男性写真家で」と動き始めたのが、昨年の夏の終わりでした。


秋になって、富士フイルムフォトコンテストの《第60回 アンダー39部門 優秀賞》にて、「茜さす」と題されたリリカルで美しい写真を発見! 作者である圓井誓太さんについて調べてみると、2022年に多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業、プロとして活動している新進気鋭の写真家/映像作家さんでした。


大学の卒業制作で発表した「Break the shell / からをやぶる」という作品がTwitter上で話題に。2022年、東京で初個展「こうごうせい」を開催。2023年、光と影の共存をテーマにしたデビュー写真集「CAFUNE」を刊行。またテレビ朝日の土曜ナイトドラマ「ハレーションラブ」の写真監修を務める。2024年、個展「CAFUNE」を開催...なんという、前途洋々なご活躍ぶり。




早速、写真集「CAFUNE」を入手した私(←発行人)は、その繊細な光と影で描かれた作品群に魅せられ、ぜひ小誌次号の写真家として、と気合いのメールをしたためたのでした。


そんな圓井さんの、小誌第15号への提供作品。表紙として掲載した1枚は、ちょっとミステリアスな風合いで、彷徨う女性を撮影しています。




そして、ここでは小誌15号内ではモノクロで掲載されている作品も、2点ほど先行してご紹介。正式発行後、ぜひ誌面と見比べてみてください。








圓井誓太

公式サイト

https://www.seitamarui.com/

Instagram

https://www.instagram.com/seitamarui/


★圓井さんはマガジンハウスのWebサイト「&premium」で2025年3月の連載を担当。ぜひ下記URLにアクセスしてみてください!

https://andpremium.jp/selector/seita-marui/


ウィッチンケア第15号は現在印刷工程。完成までもう少しお待ちください。前号を取り扱ってくださった書店の多くからも、再びご注文をいただいています。またアマゾンでも予約受付中。みなさま、どうぞよろしくお願い致します。


★ウィッチンケア第14号を手に取れる書店

https://note.com/yoichijerry/n/n08f19b55d090

★Amazon予約ページ

https://www.amazon.co.jp/dp/4865381732

2025/03/12

ウィッチンケア第15号校了!


 3月なのに雪! みたいな週末を乗り越えて、じつは「今年の桜は早い」との噂もちらほら、な2025年。...本日午前、ウィッチンケア第15号無事校了です。寄稿者、制作関係者のみなさま、ありがとうございました。そして、ここからは(ネットを含む)書店のみなさまのお世話になることに。みなさまあっての小誌、と今回もあらためて肝に銘じます! ひとりでも多くの読者に届くことを、切に願いつつ。





彷徨う女性がアイキャッチの第15号。取次会社の(株)JRCと直取引のある大型書店さま、また弊者(yoichijerry/not「社」)と直取引のある独立系書店さまでは、早ければ3月27日(木曜日)頃から並び始めるはずです。


ウィッチンケア第15号(Witchenkare VOL.15)
発行日:2025年4月1日
出版者(not「社」):yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号)
A5 判:276ページ/定価(本体2,000円+税)
ISBN::978-4-86538-173-3  C0095 ¥2000E


【寄稿者/掲載作品】〜もくじ〜より

008  綿野恵太/ロジスティクス・ディストピア
014  藤森陽子/だいたい蒸籠で蒸すといい
018  渡辺祐真/無益評論家として生きていく
022  木俣冬/イケメンという言葉の黄昏に
028  カツセマサヒコ/宙を跳ぶ
038  関野らん/死者の尊厳
042  木村重樹/『いなくなっていない親友』のこと
048  山本アマネ/いつも読書の途中
052  鶴見済/推す気持ちがわかっていない
058  武塙麻衣子/ひょうすべ
064  加藤一陽/俺のヰタ・セクスアリス
070  朝井麻由美/エモーショナル・ドリーム
076  中野純/男性の乳首には隠す価値がある
082  早乙女ぐりこ/蜘蛛と鬼ババ
088  武田砂鉄/クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー
094  内山結愛/散歩、あるいはスーパーマーケットとTwitter
098  佐々木敦/おそらく実現されることはないであろうわたくしの夢のひとり出版社の、もしも実現したとしてもおそらく実現できることはないであろう、夢の刊行予定リスト
102  オルタナ旧市街/氷を踏む
106  清水伸宏/給水塔 もしくは、ヒマジン・オール・ザ・ピープル
112  絶対に終電を逃さない女/ちょっと疲れただけ
118  長谷川町蔵/ミックステープを聴いた朝
124  かとうちあき/宇宙人に会った話
128  多田洋一/山崎さんの殺人事件
140  星野文月/野良犬に月
146  コメカ/カニ人間
152  小川たまか/記録と記憶と証言
158  武田徹/いくじなしのむうちゃん!
162  蜂本みさ/編み物前線
168  宮崎智之/補欠論
174  3月クララ/ここから始まる
178  稲葉将樹/下妻〝書店〞物語 1980年代
184  すずめ園/幸せにしてあげる
190  荻原魚雷/先行不透明
194  仲俣暁生/橋本治の書物観
198  トミヤマユキコ/ひとりっ子という生き物の宿命
202  吉田亮人/小さくて、美しい
206  野村佑香/はじめの一歩
212  久禮亮太/フラヌール書店二年目の日々
218  うのつのぶこ/生きててくれればそれでいい
222  武藤充/チャネラー・足立幸子さんとの出会い
226  ふくだりょうこ/お薬をお出ししておきますね
230  我妻俊樹/スクールドールズ
236  美馬亜貴子/生存学未来論
242  久保憲司/アーティフィシャル・インテリジェンス
248  谷亜ヒロコ/折田さんは自分推し。
252  柳瀬博一/日本は東京以外でできている
260  東間嶺/(概略)アプデしない生き方のせいで殺されてしまった先生とわたしに関するおおよそ4000字のテキスト。
266  参加者のVOICE
274  バックナンバー紹介


編集/発行:多田洋一
写真:圓井誓太
Art Direction/Design:太田明日香
取次:株式会社JRC(人文・社会科学書流通センター)
印刷/製本:株式会社シナノパブリッシングプレス

 

《2010年4月創刊の文芸創作誌「ウィッチンケア(Witchenkare)は今号で第15号となります。発行人・多田洋一が「ぜひこの人に」と寄稿依頼した、47名の書き下ろし作品が掲載されています。書き手にとって、小誌はつねに新しい創作のきっかけとなる「試し」の場。多彩な分野で活躍する人の「いま書いてみたいこと」を1冊の本に纏めました。》


そして、アマゾンでの予約も開始しました!


★書店関係の皆様、小誌第15号(BNも)のご注文は

(株)JRC、

または

BOOKCELLAR、

https://www.bookcellar.jp/product/detail/1873772


[公式SNS]

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2024/12/31

ウィッチンケア第15号、2025年4月1日に発行します!

 昨年の大晦日、私は2023年の締めくくりとして「とにかく、いろいろ揺れた1年だったな。ジャニーズ、中東、自民党、年末になって吉本興業も揺れて、でも、それらの背景で一番揺れていたのはメディアなのではないか」と書いたのですが、まさか、その翌日に能登半島が揺れるなんて想像もしませんでした。楽しい思い出がたくさんある場所...微力でも、良い方向への復興を応援したいと思います。


今年は5月の文フリ東京に出店、12月のビッグサイトには客として参加しました。メディア総体としては「オールド媒体からネットへ」の流れが決定的になった2024年、というのが個人的な所感ですが、でも、紙のメディアには「替えの利かない立ち位置」があるんじゃないか、という気もする盛況ぶりで、びっくり。「ウィッチンケア」は来春の文フリ東京40、すでにエントリー済みです。


今年4月に発行した第14号、それまでより200冊増やして(1200部)世に送り出しました。おかげさまで「1000にしときゃ良かった...」にはならず、嬉しい反響もいただいております。ただ、どうやらお取り扱い書店様ごとに「むらっ気のある動き」をする傾向があるようで...これは発行人によるPR不足に起因するもの、と反省。今春(4~5月)は“個人的な事情”で充分に書店様ご挨拶巡りができませんでしたが、来年は健脚を活かして頑張る所存です! 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


次号は、これまで以上に厚みのある1冊になりそう。正月が過ぎたら、まずはヴィジュアルを整え、その後、順次編集作業へと進みます。具体的な内容については1月末頃から適宜、ブログやSNSにてお伝えしていく所存です。桜が咲くまであと数ヶ月、どうぞお楽しみに! 


さて、そろそろ紅白歌合戦という時間でして、じつはいまの気分...今年の〆の1曲となると、脳内では先週あたりからSMAPの「夜空ノムコウ」が鳴り響いていまして、あれはほんとうに平成の大名曲だと思っているのですが、諸般の事情がいくつにも重なり、ここにYouTubeを貼り付けるわけにはいかず...でっ、今年入手した新譜で印象的な曲となると、前作「An Overview on Phenomenal Nature」で知ったカサンドラ・ジェンキンスの3枚目「My Light, My Destroyer」がなかなか良かったので、そこから1曲。




2024/09/30

「6」と「12」と期間限定と

 2024年のLong Hot Summerはホント身体に堪えましたが、それでも9月末、ようやく朝晩は秋っぽくなってきました。おかげさまで4月1日に発行した「ウィッチンケア」第14号の、取次会社様との精算も終わりまして...そろそろ先へ進むための準備に取りかかろうとしています。

まずはフィジカルな「本づくり」の基礎/土台まわりと、ビジュアルに関わる諸々から。そして、いくつか思案している「新しい試み」の具現化にも、手を付けていこうと考えています。



文芸創作誌「ウィッチンケア」はお取り扱いいただいているリアル&ネット書店で入手可能ですが、じつはSTORESにも発行人(多田洋一)が主宰する直販店(Witchenkare STORE)があり、毎年、新しい号は発行の半年後にこちらにもエントリー、バックナンバーと併せて販売しております。


                                             https://yoichi041.stores.jp/


現時点での最新号(第14号)も明日(10月1日)から販売。今年はこの機に合わせて、期間限定のバックナンバー・セール(20%OFF/在庫有りのみ)もおこなってみようと思います。


発行人という立場上、「とくにどの1冊(や作品)がお薦め!」みたいなことは言い(え)ませんが、2010年の創刊以来、個人的にちょっと心に引っ掛かっている「号」というのがありまして、それがタイトルにも記した「第6号」(2015年)と「第12号」(2022年)です。





・第6号は、主宰者としてわりと大きな決断をした1冊でした。最大の特徴は、第2号〜第5号まで表紙に掲げてきた寄稿者名をなくしたこと。このスタイルは以後も踏襲していて、いまでも「それでよかった」と考えていますが、発行当時は、まあ、多少混乱(というか「たいへんだった」w)しました。じつはこの号、紙質も「真っ白→ややクリームがかっている」/初寄稿の方が多い、等々、先を見据えてのチャレンジングな1冊だったんですよね。ここ数年で小誌を知った方などにも、ぜひ読んでいただきたいです。


・第12号は、長かったコロナ禍を抜け出して、ようやく関係者とのリアルな打ち合わせなども自由にできるようになった1冊。現在ADを務めてくださっているデザイナー・太田明日香さんとは、この号が初仕事。そして寄稿者数がついに40名を超えたり、とヴォリューム/ヴァラエティ感も満載。誌面では3段組のレイアウトも試してみたりして...と新境地を目指してみたのですが、mmm、いま振り返ると、本号のポテンシャルをもう少しうまく万人に伝える方法があったのではないか、と思ったりも(実際、次号からはSNSでの発信方法や書店営業を少し変えたりしているのです)。


ということで、明日10月1日から10月10日まで、Witchenkare STOREにて期間限定のSALEを開催します。あっ、BNの寄稿者などについては公式SNSの他、Wikipedeiaでも確認できますので、どうぞよろしくお願い致します。


以下、一部過去記事との重複になりますが、「6」と「12」の概要を。


Witchenkare vol.6




発行日:2015年4月1日
出版者(not社):yoichijerry(よいちじぇりー)
ISBN:978-4865380309
本体:1000円+税











【寄稿者/掲載作品】

002……【目次

004……仲俣暁生1985年のセンチメンタル・ジャーニー
008……西森路代壁ドンの形骸と本質
014……開沼 博ゼロ年代に見てきた風景 パート2
020……姫乃たま21才
026……武田砂鉄キレなかったけど、キレたかもしれなかった
032……宇田智子富士山
040……吉田亮人写真で食っていくということ
046……野村佑香今日もどこかの空の下
052……大澤 聡流れさる批評たち──リサイクル編
062……若杉 実マイ・ブラザー・アンド・シンガー
070……中野 純つぶやかなかったこと
076……谷亜ヒロコよくテレビに出ていた私がAV女優になった理由
080……東間 嶺ウィー・アー・ピーピング
086……小川たまか南の島のカップル
092……西牟田 靖「報い」
098……久保憲司スキゾマニア
106……藤森陽子バクが夢みた。
112……井上健一郎路地という都市の余白
116……我妻俊樹イルミネ
120……木村重樹40年後の〝家出娘たち〟
126……諸星久美アンバランス
132……大西寿男before ──冷麺屋の夜
142……辻本 力雑聴生活
146……友田 聡中国「端午節」の思い出
150……出門みずよ苦界前
154……荒木優太人間の屑、テクストの屑
160……山田 慎パンと音楽と京都はかく語りき
164……三浦恵美子子供部屋の異生物たち
172……柳瀬博一ぼくの「がっこう」小網代の谷
182……長谷川町蔵サードウェイブ
190……円堂都司昭『漂流教室』の未来と過去
196……かとうちあきのようなものの実践所「お店のようなもの」
200……須川善行死者と語らう悪徳について 間章『時代の未明から来たるべきものへ』「編集ノート」へのあとがき
206……後藤ひかり南極の石を買った日
210……武田 徹『末期の眼』から生まれる言葉
216……美馬亜貴子二十一世紀鋼鉄の女
222……多田洋一幻アルバム
234……【参加者のプロフィール】

写真:徳吉久
アートディレクション:吉永昌生
校正:大西寿男
編集/発行:多田洋一




Witchenkare VOL.12




発行日:2022年4月1日

出版者(not社):yoichijerry(よいちじぇりー)

A5 判:252ページ/定価(本体1,500円+税)

ISBN::978-4-86538-128-3 C0095 ¥1500E
















【寄稿者/掲載作品】

006……トミヤマユキコわたしはそろそろスピりたい

010……矢野利裕時代遅れの自意識

016……ふくだりょうこ死なない選択をした僕

020……武田徹レベッカに魅せられて

024……長井優希乃牛の背を駆け渡る

030……カツセマサヒコ復路、もしくは、ドライブ・ユア・カー

040……インベカヲリ★希死念慮と健康生活

044……木村重樹2021年「まぼろし博覧会」への旅──鵜野義嗣、青山正明、村崎百郎

050……姫乃たまクランベリージュース

054……ジェレミー・ウールズィーPMCの小史

058……すずめ園人間生活準備中

062……武田砂鉄クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー

068……青柳菜摘ゴーストブックショップ

072……長谷川町蔵Bon Voyage

080……スイスイわたしはその髪を褒めれない

086……仲俣暁生青猫

092……蜂本みさイネ科の地上絵

098……柳瀬博一2つの本屋さんがある2つの街の小さなお話

104……野村佑香渦中のマザー

108……長谷川裕ふれあいの街 しんまち

114……美馬亜貴子きょうのおしごと

120……多田洋一織田と源

132……はましゃか穴喰い男

140……武藤充日向武藤家の話

144……宇野津暢子秋田さんのドタバタ選挙戦

148……柴那典6G呪術飛蝗

154……山本莉会ゴーバックアゲイン龍之介

160……宮崎智之オーバー・ビューティフル

168……久山めぐみ壁の傍

172……吉田亮人撮ることも書くことも

176……藤森陽子おはぎとあんことジェンダーフリー

180……中野純完全に事切れる前にアリに群がられるのはイヤ

186……かとうちあき鼻セレブ

192……荻原魚雷将棋とわたし

196……東間嶺「わたしのわたしのわたしの、あなた」

202……我妻俊樹雲の動物園

208……久保憲司マスク

216……ナカムラクニオ妄想インタビュー 岡倉天心との対話──「茶の湯」という聖なる儀式について

220……清水伸宏つながりの先には

228……朝井麻由美ある春の日記

232……谷亜ヒロコテレビくんありがとうさようなら

236……小川たまか女優じゃない人生を生きている

246……参加者のVOICE

251……バックナンバー紹介


編集/発行:多田洋一

写真:白山 静 Instagram:https://www.instagram.com/oriondayo_/

Art Direction & Design:太田明日



Vol.15 Coming! 20250401

自分の写真
yoichijerryは当ブログ主宰者(個人)がなにかおもしろそうなことをやってみるときの屋号みたいなものです。 http://www.facebook.com/Witchenkare