前号への寄稿作では、失踪した妻を探す男の心情を切なく描いた清水伸宏さん。第14号掲載の〈業務用エレベーター〉...これは、ある意味での〝自分探し〟のお話なのかな!? ワン・シチュエーション設定なのですが、主人公の「僕」は理不尽な体験を次々と被って...というか、全篇ほぼ「私」視点の展開なので登場する「僕」以外の人々にもそれなりの言い分がありそう...というか、この人たちはホントにいるの? みたいな、虚々実々摩訶不思議な一篇です。おもしろいのは、エレベーターが停まって誰かが登場すると、「僕」にとっての忌まわしい過去が必ず甦ってくること。たとえば、宅配便の業務員の目つきが実家のある新潟で暮らす弟に似てる、それで、相続で揉めた記憶が、みたいな。「僕」は年下の上司に辞表を叩きつけたばかりで気が立っているのはわかるのですが、しかし、社外の人たちに八つ当たりをしているとしか思えません。...でも、本作はその八つ当たりの原因が〈自分の問題〉であると気づかないとどういう目に遭うか、ということを描くのが主題なのかもしれず。。。清水さんの意図や、いかに。
その表情がない横顔を見ていると、今度は離婚話をいきなり切り出したときの妻の能面みたいな表情が脳裏に浮かびました。あの五年間の結婚生活はいったいなんだったのか。大学のサークル仲間だった元妻は、僕と離婚してすぐ、同じサークルの後輩だった男と再婚したそうです。
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