やまきひろみさんとはロールキャベツを食べながら打ち合わせをしました。
書籍や雑誌のライターとして幅広く活躍するやまきさん。私と一緒の仕事ではSMAPや糸井重里さんを取材したり...ちょっとまえには恋愛に関するテキストを、分担して1冊にまとめましたっけ(10万部越えのヒット本になるなんて、びっくり!)。そんなやまきさんをインディーズ誌の世界に引っ張り込んでしまいまして、どうもスミマセン!
仕事先で会うやまきさんは、ちょっとポーカーフェイスなところがありまして...というか、打ち合わせではポイントとなる部分、きちんと確認しておくべき事柄以外では、極めて寡黙という印象あり。へらへらぺらぺら無駄話をしている私とはつねに対照的でして(あっ、会議を長くしてるのはオレか、2度目のスミマセン!!)、それでもって、仕上げてくる原稿はいつもジャストミートで、ほんと、職人。かつて、ひじょうに厳しいクライアントとのライティング作業で「やまきさんのこの原稿は100点満点です!」と先方に言わせた瞬間に居合わせましたが、あのときは心底すごい、と思いましたYO!
仕事以外の場で会うやまきさんは、けっこう笑い上戸で、好きな音楽や旅の話ではときに饒舌です(世間話では辛口も!)。...というか、私はいつもミッション遂行型の書き仕事でやまきさんとご一緒してきたわけですが、ずっと思っていたのは、きっと「まだ書いていない物語」を、この人はひそかに抱えているんだろうな、ということ。
やまきさんが寄稿してくれた「ふたがあくまで」を読んだある人が、「ねえ、作者は美人でしょ」と言いました(ピンポ〜ン!)。しっかし、面識のない異性に美人だと思わせる文章って、すごい筆力だな〜。
わたしのこうした極めて個人的な事情については何も話さなかったが、さっちゃんはわたしの表情などから何かを感じとっていたのか、帰る間際にこんなことも言った。
「わたしも珠ちゃんくらいの歳の頃……、三十代の半ばくらいまではね、さっき話したように誰かに何かをお願いしたり頼ったりするのがすごく苦手だったから、こんなことを言えた義理じゃないんだけれども。珠ちゃんも困ったときは誰かを頼っていいんだからね。もちろんわたしやへいさんにできることならなんだって協力するしさ。
こういうこと言うのはくさくて恥ずかしいけど、ひとはひとりじゃないとか、よくいうでしょ。もちろんひとりでなんとかしなくちゃいけないことはたくさんあるんだけど、ひとりじゃないっていうのも一方では真実だなぁ、ってこの歳まで生きてきてつくづく思うのよ。助けてくれる人って必ずいるものなの。そのことを今日珠ちゃんに手伝ってもらってわたしはまた改めて実感できたよ。珠ちゃんが今日わたしを助けてくれたことは、どんな形であれ、いつか必ず巡りめぐって珠ちゃんに返ってくるからね」
そうなのかな。さっちゃんの言葉はその穏やかな語り口もあって心に沁み入ったが、わたし自身は誰かが自分を助けてくれることなどもうとっくにあきらめている。
〜「Witchenkare vol.2」P31〜32より引用〜
Vol.14 Coming! 20240401
- yoichijerry
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